あさのことば 2011年7月8日(金)放送    あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

今井献(東京教会牧師)

今井献(東京教会牧師)

メッセージ: 今のパウロを見て

 いかがお過ごしでしょうか。東京教会の今井献です。

 使徒言行録7章54節以下に、信仰と愛に満ちたステファノが殉教する出来事が記されています。このステファノを殺害した側にいたのが青年サウロであり、後に回心して伝道者となったパウロです。

 使徒言行録6章以下にステファノが殉教した経緯が記されています。ステファノは外国生まれで、ギリシアを自由に話すユダヤ人でした。それで、ギリシア語を話すユダヤ人の会堂に行って議論したところ、彼らの怒りを買って捕らえられてしまいました。ステファノの議論に勝てなかったからです。そして石打の刑で殺されるにいたります。使徒言行録22章なども読むと、パウロはギリシア語を話すユダヤ人の会堂にもともと属していたようです。そうだとすれば、ステファノにさんざんやりこめられたはずです。それで、ステファノ殺害に積極的に賛成したのだと思います。

 しかし、回心して伝道者になり、エルサレムに戻ったときには、ステファノが行ったのと同じようにギリシア語を話すユダヤ人の会堂に行きました。そして、同じく殺されそうになるのですが教会によって助けられます。その後、パウロは、ステファノの殉教がきっかけとなって建てられたアンティオキアの教会を指導し、この教会から送り出されて世界宣教を行いました。

 これらのことは、迫害者であったとき行ったパウロの罪がキリストによってゆるされたことを、本人と教会が確信していたからできたことです。以前のパウロではなく、今のパウロを見て受け入れる、それがキリストであり、教会です。

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