熊田なみ子のほほえみトーク 2011年9月27日(火)放送

熊田 なみ子(スタッフ)

熊田 なみ子(スタッフ)

小さな朗読会145「スパイによる土地偵察」(「母と子の聖書」旧約上48章)

 ミリアムが回復すると、雲の柱は幕屋から上がり、イスラエルの民はシンの荒野に着くまで旅を続けました。これで約束の地カナン境界線まで来たわけです。

 モーセは神様の命令によって、部族のつかさである12人の重要な人を選び、「あなたがたはカナンの地に行って、その地の様子を見、そこに住む民は、強いか弱いか、また彼らの住んでいる地は、良いか悪いか。人々の住んでいる町々は、天幕か城壁のある町か、その地は、肥えているか、やせているかを見なさい。また、その地の果物を取ってきなさい。」と言いました。12人は、南の方から始めました。彼らは南の方からカナンに入り、北のはしまで行き、そして、まわれ右をして、40日後に戻ってきました。

 彼らは今までに見たこともないような、見事な果実を見つけてきました。エシコルの谷で、彼らは一ふさの葡萄の枝を切ってきました。しかし、その一ふさの葡萄はあまり大きくて、2人の人が肩に棒をかけて担ぐほどでした。また、イチジクやざくろも見つけてきました。12人の斥候が帰ってきたと聞いて、人々はその報告を聞くために集まってきました。

 その12人は何と言ったでしょうか。「わたしたちはあなたが遣わした地に行きました。そこはまことに乳と蜜の流れている地です。これはその果物です。しかし、その地に住む民は強く、その町々は堅固です。その上、そこには大男であるアナク人が住んでいるのを見ました。」と彼らは言いました。

 ここに巨人がいることを聞いたとき、人々はどんなにがっかりしたことでしょう。斥候のひとりカレブは「私たちはすぐに上って攻め取りましょう。私たちは必ず勝つことができます。」と言いました。しかし、他の斥候は「私たちはその民のところへ攻め上ることは出来ません。彼らは私たちよりも強いからです。」と言いました。斥候のうち10人は、そこに住んでいる人々がみな背が高くて強く「敵にくらべて私たちには自分がいなごのように思われ、また彼らにもそう見えたに違いありません。」と言って人々を落胆させました。どんなにがっかりしたでしょう。

 民は泣きわめき始めました。一晩中彼らは嘆き、不平をこぼしました。彼らは、モーセとアロンを失望に終わるような長い旅に連れ出したといって責めました。彼らは一度として主に助けを求めようとしませんでした。エジプトから出るように命じ、長い荒野の旅の間守ってくださったのは神様であることを、彼らは1回も思い起こしませんでした。そして、民はお互いに「ああ、私たちはエジプトの国で死んでいたらよかったのに。この荒野で死んでいたらよかったのに。」と言い合いました。

 朝になると彼らは「私たちはひとりのかしらを立ててエジプトに帰ろう」と言い始めました。モーセとアロンは呆然としました。神様に聞かないでかしらをたて、神様なしにエジプトに帰るなどとはとんでもないことです。どうしてそんなことが考えられるでしょう。モーセとアロンは、みなの前にひれ伏し、彼らがこの罪を思いとどまり、愚かさを捨てるように求めました。

 斥候のうちの2人、カレブとヨシュアは、自分たちの衣服を裂いて民に抗議しました。この2人の報告は、他の斥候の報告と違います。彼らはカナンが非常に住み良い所であることを民に伝えました。また「もし主が彼らを愛しておられるならば、この地に導き、この地を彼らに与えられるでしょう。ただ、主に反逆したりこの地の住民を恐れてはいけません。主が共におられれば大男だって害を加えることは出来ません。」と2人は言うのでした。民はこれを聞いて励まされたでしょうか。いいえ。彼らは、カレブやヨシュアに石を投げはじめました。

 神様は、天幕で泣いているイスラエルの民の「ああ、私たちはエジプトの国で死んでいたらよかったのに。この荒野で死んでいたらよかったのに。」という声を聞かれました。また、彼らがカレブやヨシュアに石を投げるのをご覧になりました。そして、主は非常にお怒りになりました。突然、神様は幕屋に下られました。その栄光は贖罪所を覆いました。これは、民が毎晩見ている火の柱とは違いました。それは恐ろしい怒りに輝く神様のご臨在でした。

 神様はモーセに語られました。民は神様の示された素晴らしいしるしにもかかわらず、まだ神様を信じていませんでした。そこで神様は、今一度彼らを滅ぼし、モーセを彼らよりも勝れた国にすると言われました。しかし、モーセは自分の栄光を求めませんでした。また、もし神様がイスラエル人を滅ぼされれば、やがてエジプト人がそのことを知り、それをカナンの人に伝えるでしょう。そして、彼らは「主は与えると誓った地に、この民を導き入れることが出来なかったために彼らを荒野で殺した」と言うでしょう。こうモーセは指摘しました。モーセは、この民がエジプトから出て以来、神が何度もゆるされたように、今もその大きい憐れみによってゆるされることを求めました。

 モーセが、民の大きな罪をゆるしてくださるように神様に熱心に求めましたので、神様は彼らをゆるすと言われました。しかし、神様の栄光と、エジプトで神様がなさった奇跡を見ながら、神様に背いたものは、神様がその先祖に約束された地を見ることは出来ないと答えられました。

 カレブとヨシュアは神様に従ったので、彼らだけはこの美しい土地が見られます。残りの者は、神様に対し不平を言ったので、また荒野に戻らなければなりません。そして、ひとり残らず死ぬまで、荒野であと40年間、放浪の旅を続けるのです。その後で初めて神様は彼らの子供に、アブラハム、イサク、ヤコブに約束されたよき地を与えられます。

 神様は、イスラエルの民にカナンの土地を獲得できないと言った10人の斥候を罰せられました。恐ろしい疫病をおくられたので数時間のうちに彼らは死にました。しかし、カレブとヨシュアは全然病気になりませんでした。  くまだなみこ

コントローラ


スマートフォンの方はこちらから再生(mp3形式)
  Copyright (C) 2011 RCJ Media Ministry All Rights Reserved.