あさのことば 2012年7月5日(木)放送    あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

川瀬勝次(花小金井教会牧師)

川瀬勝次(花小金井教会牧師)

メッセージ: 愛は礼儀正しい

 お早うございます。花小金井教会の川瀬です。
 日本の社会は三重構造であると言われます。「内」と「外」の間に「義理」がサンドイッチになっています。内から順には「内」「義理」「外」です。
 最も礼儀正しくふるまうのは、「義理」の世界です。ここでは「ありがとうございます」「申し訳ございません」等など。やたらとあいさつが多くなります。電車が3分遅れて十回もお詫びをする車掌さんは世界で日本ぐらいです。山の手線なら3分遅れると次の電車がくるので、だまっておけば分からないと思うのですけれども。

 さてそのように勤務中は過度に礼儀正しい人も、家に帰っても同じであるとは限りません。奥さんに「ありがとう」も「ごめんなさい」も言ったことがない夫はそれほどめずらしくはありません。また週末のドライブではやたらとクラクションを鳴らし、他の車に道を譲らない不親切なドライバーであるかもしれません。奥さんは「内」の人、他の車は「外」の世界の人々であるからです。

 「義理」の世界では、礼儀正しくふるまうように何らかの圧力がかかっています。ですから、その人の本当の姿は、そのような圧力から解放された、内や外の世界でより正確に現れてくるのです。一般道をたまたま走っている他の車に親切にする義理はありません。「内」「外」「義理」の三重構造を巧みに使い分ける自然の思いに打ち勝ち、夫婦関係、親子関係、全く知らない人との関係の中でも、親切で礼儀正しくふるまう力が愛です。

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