キリストへの時間 2013年3月3日(日)放送 キリストへの時間宛のメールはこちらのフォームから送信ください

山下正雄(ラジオ牧師)

山下正雄(ラジオ牧師)

メッセージ: 公生涯のはじまり

 おはようございます。ラジオ牧師の山下正雄です。
 イエス・キリストについて誰もが知っているのは、そのお誕生日がクリスマスとして世界中の人々に今でも祝われている、ということではないかと思います。では、その後のことはというと、断片的にしか知っていない人が多いように思います。2000年近くにもわたって、全世界の人々に影響を与え続けてきたこの人について、ほとんど知らないというのは、とても残念な気がいたします。

 ひと昔前までは、どこの教会でも日曜日に子供たちを集めて、聖書のお話を語り聞かせた教会学校が盛んであったので、クリスチャンでなくても、キリストの生涯と教えぐらいはひととおり知っているという人が大勢いました。けれども1980年代あたりから日曜日の朝、子供たちを教会へ送る家庭がだんだんと少なくなってしまったために、いま30歳よりも若い世代になると、教養の一つとしてすらキリスト教を知らない人がぐっと増えているように思います。

 さて、そんなことはさておき、神の子、救い主としてお生まれになったイエス・キリストが、その後どういう生涯を送られたのか、今月5回にわたってお話したいと思います。
 イエス・キリストの生涯を綴った書物である四つの福音書には、幼少時代のキリストについて書き記してあるものはほとんどありません。ただ一つ、ルカによる福音書が12歳になったキリストのエピソードを伝えているだけです。その記事を除けば、福音書の関心は、もっぱらキリストの生涯の最後の数年に限られています。数年といいましたが、長く見積もっても3年ほどの期間です。

 洗礼者ヨハネからヨルダン川で洗礼を受け、ゴルゴタの丘で十字架にかけられるまでの僅かなこの期間を、「キリストの公生涯」(キリストの公の生涯)と普通呼んでいます。福音書はこの短い期間にイエス・キリストが教えられたこと、またなさった様々な御業について記しています。特にその中でも、最後の数日間の出来事、いわゆるキリストの受難と復活について多くのスペースを割いています。

 きょうお話したいのは、このキリストの公生涯の始まりの出来事、つまり、イエス・キリストが先駆者である洗礼者ヨハネから洗礼をお受けになったときのことをお話したいと思います。

 どの福音書にも共通して書かれていることは、イエス・キリストは洗礼者ヨハネから洗礼をお受けになったということ、そしてそのとき聖霊が鳩のようにイエス・キリストの上に降ったということです。そして、福音書には、そのとき、天からの特別な声が聞こえたということが書きしるされています。その声が言うには、「これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」(マタイ3:17)ということでした。
 洗礼者ヨハネはその当時、やがて来たるべきメシアを迎えるために、人々の心を整えさせようと、ヨルダン川で悔い改めの洗礼を授けていました。ヨハネから洗礼を受けた人はおびただしい数でしたが、そのうちの誰一人として、その上に聖霊が鳩のように降ることもなければ、天からの声が聞こえるということもありませんでした。ただイエス・キリストが洗礼をお受けになったときにだけ、特別なことが起こったのです。

 そのときの天からの声が伝えているとおり、天の父なる神の御心に適う神の御子として、イエス・キリストには特別な使命が与えられているいうことです。ではどんな使命をもって父なる神のもとから遣わされて来たのでしょうか。この続きは来週お話したいと思います。

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