キリストへの時間 2013年4月21日(日)放送 キリストへの時間宛のメールはこちらのフォームから送信ください

内山輝之(清和学園教頭)

内山輝之(清和学園教頭)

メッセージ: 人生の恵み

 おはようございます。清和学園教頭、内山輝之です。
 昨年、大学卒業30年を迎え、大阪で開かれた同窓会に出席しました。一人ひとりの近況報告を聞くうちに、30年という年月はやはり長いなあと実感させられました。そして、52、3歳という自分たちの年齢について考えさせられました。自分自身は大学を卒業した後、大学院に進学し、そのまま清和女子中高等学校に就職して25年が経ちました。生徒たちは成長して、次々と卒業していきますが、わたし自身はいつまで経っても成長できないことに情けなさを感じることもあります。

 大学の同級生達の中には、孫がいる者も3人います。子供たちが自立してホッとしていたら転勤を命じられて単身赴任を始めた者、早期退職して第二の人生を始めた者、大病を何度も克服してきた者もいました。それぞれ30年間さまざまな苦労を乗り越えて、集まって来ていました。しかし、集まって話をすると30年前に戻り、大声で話し、笑い合いました。体育会と応援団の集まりだったので、最後は応援歌と校歌を全員で叫んで終わりました。校歌の中にも出てくるスクールモットーの「Mastery for Service」(奉仕のための練達)の精神は、30年経っても全員の心の中にしっかりと息づいていました。どんな困難にも負けず、隣人を大切に前向きに生きていました。ちなみに、集まった全員が大笑いしたのは最近、電車の中で、「おじいちゃん、どうぞ。」と席を譲られてショックを受けたという報告を聞いた時です。皆、まだまだそうならないように元気に頑張ろうと決心したようです。

 話は変わりますが、先日、清和に赴任した年に高校2年生で担任をしたクラスの生徒の一人が、幼い男の子を連れて学校に顔を見せに来てくれました。卒業して福岡の大学の薬学部に入ってそのまま福岡で就職、結婚して40歳を過ぎた現在も福岡で生活しているそうです。久しぶりに高知へ帰省した時に、清和の学園報に載っていたわたしの文章を読んで、懐かしくなって会いに来てくれたのです。20年以上経っていましたが、当時の面影が残っていて、すぐにわかりました。高校時代、必ずしも素直ではなく、反発もされました。といっても、クラスの47人ほぼ全員が新任の頼りない担任に反発していたのですが。40歳になった彼女はすっかり落ち着いていて、学生時代に反発ばかりしたことを謝罪したいと何度も言い続けました。そして、もうすぐ教会で洗礼を受けることにしたと報告してくれました。もともとクリスチャンホームで生まれ育っていたのですが、県外で生活していることもあってなかなか決心がつかなかったようです。ついに導かれて高知の母教会で受洗することになったということですが、その日がたまたまわたしの誕生日だったこともうれしいことでした。

 教師をしていてうれしいことの一つは、卒業生が学校を訪ねて来てくれたり、結婚式や同窓会に招待してくれたり、電話や手紙で連絡をくれたりすることです。中には、深刻な問題を相談されることもありますが、それでも頼りにしてくれることはうれしいものです。学生時代にあまりにも引っ込み思案できちんと社会に出て働けるのだろうかと心配していた生徒が、卒業して学校に顔を出すと、しゃべるしゃべる、心から驚きました。わけを聞いてみると、社会で生きていくために自分で自分を変えたそうです。また落ち着いて学校生活を送れずに問題を起こしては怒られてばかりいた生徒が、結婚して子供ができてから、資格を取るために学校に入りたいので書類を書いてほしいと電話で連絡してきました。後日、書類を受け取りに来た彼女は、外見に当時の面影はありましたが、雰囲気はまったく変わっていました。落ち着いていて、丁寧な言葉遣いできちんとした受け応えのできる立派な社会人になっていました。このように、卒業していった生徒たちの成長した姿を見ると、教師をしていてよかったと心から思います。たとえ、在学中には成長が感じられなくても、卒業後も一人ひとりのことを神様が見守ってくださるように祈り続けたいと思っています。

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