熊田なみ子のほほえみトーク 2014年5月27日(火)放送

熊田 なみ子(スタッフ)

熊田 なみ子(スタッフ)

小さな朗読会177
「世界でいちばんかしこい人(2)-ソロモンの知恵はどこからきたか」
(「母と子の聖書旧約下」76章)

 ダビデは死ぬ前にイスラエルのおもな人たちを召集しました。みな集まるとダビデは立ち上がり、神様がソロモンを王に選び、その神殿を作る人として選ばれたことを話しました。神様の戒めをみな覚えて守るようにと集まった人々にすすめました。

 次にダビデはソロモンに向かいみなの前で言いました。「わが子ソロモンよ、あなたは父の神を知り、全き心をもって喜び勇んで彼に仕えなさい。主はあなたの全ての心を悟られるからである。あなたが主を求めるならば会うことができる。しかし、もし主を捨てるならば、主もまたあなたを長く捨てられるであろう。」

 それからダビデはソロモンに神様の助けによって造る神殿の設計図を渡しました。そして、もう一度集まっている人々に向かって「神は、私の息子を王に選ばれたが彼はまだ若い。主なる神の家を建てることは大きな事業である。私は力を尽くして神の宮のために備えた。金、銀、青銅、鉄、木、金剛石、宝石を集めた。さて、あなたがたのうちで誰が喜んで捧げ物をするだろうか」と言いました。人々はみなソロモンを助けました。彼らは、金や銀や鉄をたくさん捧げました。現在のお金にすればダビデとイスラエルの人々は、銀で6,050億円、金で9,955億円分を捧げたのです。民は大変喜んでいました。ダビデ王は、皆が喜んで主に捧げるのを見て満足でした。彼はみなの前で主をたたえ、その恵みを感謝し、ソロモンと全ての民がいつまでも神に仕えるのを忘れないようにと祈りました。民もみな先祖の神を褒め、頭を下げて主を拝しました。祭司たちはいけにえを捧げました。人々は大変な御馳走の宴を設け非常に楽しみました。

 ソロモンは人々の前に出され、改めて王冠を戴きました。彼は今こそ民の統治者です。そして主の戒めを守ろうと決心しました。神様もこのようによくご自分に仕える若い王を愛されました。ソロモンは,神に1,000の燔祭を捧げました。その夜、神様は夢の中でソロモンに現れ「あなたに何を与えようか、求めなさい。」と言われました。ソロモンは言いました。「わが神、主よ、あなたは私を父ダビデに代わって王とされました。しかし、私はまだ小さい子供のような気がします。作法も知りません。しかも私は、数えることもできないほどおびただしい民を治めなければなりません。ですから、あなたのおびただしい民を治められる知恵と知識を私にください。」

 主は、ソロモンが富や名誉や敵に対する勝利や長命の代わりに、知恵を求めたのを喜ばれ、彼のあとにも先にも、彼ほど賢いものがないほどの知恵と知識とを与える、と約束されました。神様はまた、ソロモンの求めなかった富や名誉も与えられます。もしソロモンがダビデのように神の戒めを守れば、神様は長命をも与えられます。

 ソロモンは目をさましました。それは夢でした。しかし、それは神様のおくられた夢であって、その通り実現しました。ソロモンは世界一の賢者になりました。また、彼は非常に富み、尊ばれ、長生きしました。ソロモンは3,000の箴言を語り、1,000の歌を詠みました。レバノンのみごとな杉から石垣の割れ目から芽を出す小さいヒソプに至るまで何もかも知っていました。また、動物、鳥、はうもの、魚についてもたくさんのことを知っていました。人々は世界中からソロモンの知恵を聞くために集まって来ました。彼がどのように民を裁くかを見るため偉い王様たちもやって来ました。

 ある日、二人の主婦がソロモン王のところに争いの調停をしてもらいにやって来ました。一人は赤ん坊を抱き、一人は死んだ子を抱いていました。その一人が王に言いました。「ああ、我が主よ、私はこの女と一つの家に住んでいましたが子を産みました。ところが、3日目にこの女も子を産みました。夜中にこの女は自分の子の上に伏したのでその子は死にました。彼女は夜中に来て、私の眠っている間に私の子を取って自分の死んだ子を私の懐に寝かせました。朝起きて子を抱きました。死んでいたのです!よく見るとそれは私の子ではなくてこの女のです。彼女が私の子を抱いて寝ているのを私は見たのです」。もう一人の女はこれを否定しました。「王よ、彼女はうそをついています。生きている子は私ので、死んだ子があの人のです」と大声で叫びました。初めの女は「それは違います。死んだのがあの人の子です。生きているのは私の子です。」と口を挟みました。

 どちらが正しいか、誰にわかるでしょう。二人とも生きている子をほしがって、死んだ子を引き取りません。王は家来に「刀を持ってきなさい。」と言いました。それから「生きている子を二つに分けて、半分をこちらに、半分をあちらに与えよ。」と言いつけました。家来の一人が生きている子を抱き上げ切ろうとして刀を振り上げました。すると、子供の本当の親は悲鳴をあげました。「ああ、わが主よ、生きている子を彼女に与えてください。殺さないでください。」ところがあとの女は「あなたの決められたことは全く公平です。わけて半分ずつください。」と言いました。するとソロモン王は「生きている子を初めの女に与えよ。彼女こそその母だ」と言いました。そこで子供はそれを愛している女に与えられました。王の賢明な判断をイスラエルの民が知った時、皆は神の知恵が王にあることを認めました。

 ソロモンの治世の間、イスラエルの民は、海岸の砂のように多く増えていきました。彼の時代には戦争もありませんでした。イスラエルとユダの民はみなソロモンの生きている間、それぞれの家に安心して住みました。ソロモンは、ダビデが征服した全ての国々を、北はユウフラテの大きな川から、南はエジプトの境まで治めました。これらの国々の全ての王は、ソロモンに貢を納め、彼に仕えました。

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