熊田なみ子のほほえみトーク 2017年2月28日(火)放送

熊田 なみ子(スタッフ)

熊田 なみ子(スタッフ)

小さな朗読会210「自分の声を聞いて!」
(John Timmer著「Once upon a time…」より)

 昔々、あるところにトムという男の子がいました。トムの声はとてもうるさくて、あなたや私の声の100倍大きい声でした。トムが普通の声で話すと、窓がガタガタ言いました。トムが大きい声で話すと、窓にひびが入りました。トムが叫ぶと、シカゴ中の人たちが彼の声を聞くことができるほどでした。
 トムの近所に暮らす人たちは「どうしてトムはあんなに大きな声で話すのだろう? 私たちが聞いている声を、自分で聞くことができればいいのに。」と言っていました。

 一番苦しんでいたのは、トムのお母さんでした。トムはひっきりなしにお母さんのことを呼びました。起きてから寝るまで、トムは「お母さん、あれ持ってきて!」「これがほしい!」とお母さんを呼んでいました。トムは何も自分でやりませんでした。
 トムのお母さんはいつも「トム、お願い、そんな大きな声を出さないで! 私が聞いているあなたの声をあなたが聞けたらいいのに!」と言っていました。

 ある夜、急に冷え込んできました。凍りつく寒さでした。マイナス100度くらいにはなったのではないかというくらいの寒さでした。どのくらい寒いか想像できますか? 何か声に出したそばから声が凍りつくんですよ。その夜トムは寒くて震えて起きました。彼は部屋の窓を開けっ放しで寝ていたからです。彼は自分で起き上がって窓を閉めに行ったと思いますか?いいえ!甘えん坊のトムは、お母さんを呼んで閉めさせようとしました。彼は思いっきり叫びました「お母さん!窓を閉めてよ!」

 でも、お母さんはその声を聞きませんでした。トムの叫び声がトムの口から出るその瞬間に凍りつき、床に落っこちてしまったからです。すぐに床中がトムの凍った叫び声でいっぱいになりました。
 あくる朝、お日さまが出てきて、だんだんとトムの部屋を暖めていきました。部屋が暖かくなっていくにつれて、凍っていた叫び声が溶けていき、爆竹のようにはじけ出しました。次から次へと…そして、部屋中が叫び声でいっぱいになりました。

 トムは生まれて初めて、自分の叫び声を聞くことになりました。トムの耳はひどく痛めつけられました。「今までこんな風に聞こえていたのか…、たくさん謝ってまわらないといけないぞ」とトムは言いました。
 トムが学んだことは、私たちみんなが学ばなくてはならないことです。私たちは、自分たちの言っていることを聞かなくてはなりません。「私の言うことばはみんなにどのように聞こえるだろう。誰かの耳を痛めつけていないだろうか?誰かの心を傷つけていないだろうか?」といつも自分自身に問いかけなくてはならないのです。(訳:木川美来)


 「聞く人に恵みが与えられるように、その人を造り上げるのに役立つ言葉を、必要に応じて語りなさい。」(エフェソ4:29)

 一番大切なこと
問1 わたしたちにとって一番大切なことは何ですか。
答 神さまの子どもとして、神さまと共に歩むことです。
(「子どもと親のカテキズム―神さまと共に歩む道―」日本キリスト改革派教会大会教育委員会)

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