川栄智章（せんげん台教会牧師）

メッセージ： 愛は多くの罪を覆う

　いかがお過ごしでしょうか。せんげん台教会の川栄智章です。
　ペトロの手紙一　4章8節に「何よりもまず、心を込めて愛し合いなさい。愛は多くの罪を覆うからです。」とあります。この実例が創世記9章に出てきます。

　恵みによって大洪水から救われた後、ノアはぶどう酒を造り、ぶどう酒をたしなむことがよくありました。ところがある日酔い潰れてしまい、着ていた服を全部脱いで裸になって寝ていました。その現場の第一発見者であった息子のハムは、父親の恥ずかしい姿を兄弟たちに告げました。ハムの心の中にノアを辱めたり、嘲る思いがありました。

　一方、それを聞いたセムとヤフェトは、父親の恥ずかしい姿を目に焼き付けないように、後ろ向きになって歩いていき、その裸を覆ってあげました。この3人の中で、誰が父親を愛したのかと言えば、言うまでもなくセムとヤフェトです。ここで息子たちの前に恥をさらしたノアの姿というのは、実は私たち罪びとの姿であります。私たちは日々罪を重ね、恥を上塗りしていますが、なんと、罪のないイエス様も恥ずかしい姿で十字架に架けられました。

　なぜでしょうか。私たちのすべての罪を十字架上で贖うためでありました。セムとヤフェトの行為というのは、実はイエス様によって愛された者として、互いに愛し合い、人の弱さや欠けや恥を覆う行動でした。「愛は多くの罪を覆う」とは、主の模範に従って相手の弱さを引き受けてあげることなのです。