キリストへの時間 2021年10月17日(日)放送  キリストへの時間宛のメールはこちらのフォームから送信ください

大宮季三(芸陽教会牧師)

大宮季三(芸陽教会牧師)

メッセージ: フェアプレーだけでは生きられない

【高知放送】
     

【南海放送】
     

 おはようございます。芸陽教会の大宮季三です。
 今年は甲子園での全国高校野球選手権大会が2年ぶりに行われました。「昨年、新型コロナウイルスの影響で甲子園を目指すことすら叶わなかった先輩の分まで!」という思いが、一層高校球児たちを駆り立てたのではないかと思います。高校野球といえば、ハツラツとした正々堂々と戦う姿を思い浮かべるのではないかと思いますが、その中でも2019年に起きたフェアプレーは、日本の高校野球ファンのみならず、アメリカのスポーツ紙でも取り上げられるほどに話題になりました。

 ピッチャーが投げたボールがバッターに当たります。審判がデッドボールを告げようとしたその時、バッターは「自分の避け方が悪かったから当たったので今のはデッドボールではない。」と言います。高校野球では時々反対のこと、「自分から当たりにいったのでデッドボールではない。」と、審判が告げることがあります。ですが、バッターが自分からそれを告げる場面は非常に稀なことです。自分から、出塁するチャンスをみすみす捨てることになるからです。しかも彼は9番バッターですから、ヒットを打って出塁する確率はそれほど高いとは言えないバッターです。

 この後プレーが続行されるのですが、まさに奇跡としか言いようのないことが起きます。なんと、彼はこの打席でホームランを打ちます。この出来事はフェアプレーゆえに生まれたホームラン、「フェアプレーホームラン」として高校野球の歴史の名場面の一つとして刻まれることになりました。

 ところで聖書は「すべてのものが神の目には裸であり、さらけ出されているのです。」(ヘブライ4:13)と語ります。人生においてなしてきたすべてのことが神の前に問われる日が来ると、聖書は言います。先ほどの「フェアプレーホームラン」のように、自分の誠実な行いが報いられることは、この地上の世界においては少ないかもしれません。むしろ反対に「正直者がバカを見る」ことの方が多い世の中です。

 ですが、真の神様の前にはすべてが明らかだと聖書は言います。そうであれば、人生でフェアプレーをし続けてきたならば、神様によって報われる時がきます。すべてをご存知の神がおられるなら「正直者はバカを見て終わり」ではありません。

 ですが、問われることは「良いこと」だけではありません。「悪いこと」もすべて神の前に問われます。「フェアプレー」だけでは生きて来れなかった自分のすべての罪も、神の前にさらけ出されます。スピード違反で捕まったドライバーが「みんな速度を違反している。」「こんなとこ30キロで走れるわけがない。」と言うように、神の前に「みんなやっている。」「できっこない。」という言い訳は通用しません。神は完全に正義を行われる方ですので、小さな罪をも見逃すことはありません。

 フェアプレーだけでは生きられない、神の前に、人の前に犯したすべての罪が問われる時がやってきます。残念ながら、自分の功績や弁論によっては、その罪を取り去り無罪を勝ち取ることはできません。ですがその時、皆さんと共に立ってくださる方がいらっしゃいます。それが神の独り子イエス・キリストです。この方が私たちの身代わりとして十字架にかかり、私たちが受けるべき罪の報いを、もうすべて先に受けてくださいました。

 私たちが犯した罪の報いは、私たちに降りかかるのではなく、この十字架にすべてが向けられます。イエス・キリストによって、私たちは無罪を勝ち取ることができます。さらにイエス・キリストは無罪を勝ち取ってくださるだけでなく、永遠の命を勝ち取ってくださるお方です。イエス・キリストを自分の救い主と信じて告白する人は誰でも、神の前にフェアにこの救いが与えられます。



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