キリストへの時間 2022年6月12日(日)放送  キリストへの時間宛のメールはこちらのフォームから送信ください

坂尾連太郎(南与力町教会牧師)

坂尾連太郎(南与力町教会牧師)

メッセージ: 三位一体の神による救い

【高知放送】
     

【南海放送】
     

 おはようございます。南与力町教会の坂尾連太郎です。
 先週の日曜日は、ペンテコステでした。そして、それに続くこの日曜日は、西方教会の教会暦で「三位一体の主日」と呼ばれています。この「三位一体の主日」というのは、私たちにとっては、あまりなじみのないものでしょう。しかし、「三位一体」という教理自体は、キリスト教にとって、とても大切なものです。その三位一体の教え、また三位一体の神様のことを特に覚える日として、この「三位一体の主日」が設けられるようになりました。

 そこで今朝は、三位一体の神様について、聖書から学びたいと思っています。ただ聖書に、「三位一体」という言葉そのものが出てくるわけではありません。しかし、聖書には、神様が、ただおひとりであられることと同時に、神様には、父、子、聖霊という三つの区別された位格があるということが教えられています。そのような聖書の教えから、「三位一体」という教理が導き出され、正統的なものとして確立されてきました。そして聖書は、三位一体の神様が、ただそのようなお方として存在しているということだけではなくて、その三位一体の神様が、私たちの救いのために働いてくださったということを教えています。

 新約聖書のテトスへの手紙3章1節から7節までをお読みいたします。「人々に、次のことを思い起こさせなさい。支配者や権威者に服し、これに従い、すべての善い業を行う用意がなければならないこと、また、だれをもそしらず、争いを好まず、寛容で、すべての人に心から優しく接しなければならないことを。わたしたち自身もかつては、無分別で、不従順で、道に迷い、種々の情欲と快楽のとりことなり、悪意とねたみを抱いて暮らし、忌み嫌われ、憎み合っていたのです。しかし、わたしたちの救い主である神の慈しみと、人間に対する愛とが現れたときに、神は、わたしたちが行った義の業によってではなく、御自分の憐れみによって、わたしたちを救ってくださいました。この救いは、聖霊によって新しく生まれさせ、新たに造りかえる洗いを通して実現したのです。神は、わたしたちの救い主イエス・キリストを通して、この聖霊をわたしたちに豊かに注いでくださいました。こうしてわたしたちは、キリストの恵みによって義とされ、希望どおり永遠の命を受け継ぐ者とされたのです。」

 この個所でまず勧められていることは、すべての善い業を行う用意をしているべきこと、誰の悪口も言わず、争わず、寛大であり、すべての人に、柔和で優しい態度を示すべきだということであります。そして、そうすべき理由として、神様の救いについて語られていきます。そして、神様の救いを語るにあたって、まず、私たちが以前、いかに罪深い生活を送っていたかを思い起こさせています。私たちは、かつて無分別で、愚かであり、神様に対し不従順で、道に迷って生きていました。また自分の欲望や快楽の奴隷として生きていました。そして、人に対しては、「悪意とねたみを抱いて暮らし、忌み嫌われ、憎み合っていたのです」。

 しかし、私たちの救いの主である神様は、そのような罪深い私たち人間への愛と憐れみを、イエス・キリストにおいて現してくださいました。そして、私たちの正しい行いの故ではなく、ただ神様ご自身の憐れみによって、私たちを救ってくださいました。そしてその救いは、「聖霊によって新しく生まれさせ、新たに造りかえる洗いを通して実現したのです」。神様は、その聖霊を「わたしたちの救い主イエス・キリストを通して」、「わたしたちに豊かに注いでくださいました」。

 ペンテコステの時、イエス様の弟子たちに注がれた聖霊は、イエス・キリストを信じる私たちにも、豊かに注がれているのです。この聖霊は、罪の中で霊的に死んでいた私たちを「新たに生まれさせ」、新しい命を与えてくださいました。そして、なおも罪を犯してしまう弱い私たち、汚れた私たちを、聖霊は「新たに造りかえ」、洗い清めていってくださるのです。そして、聖霊は、私たちをイエス・キリストに結びつけるきずなでもあります。私たちは、聖霊によってキリストと結ばれ、「キリストの恵みによって義とされ」、永遠の命の希望が与えられ、それを受け継ぐ者とされました。

 このように、私たちは、神様の憐れみ、キリストの恵み、聖霊による洗いによって救われ、永遠の命を受け継ぐ者としていただきました。それゆえ、私たちは、三位一体の神様によって救われた恵みに感謝し、神様の御心に従って歩んでいきたいと思います。



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