本詩は、若き日からひたむきな神への信仰に生きてきた、一人の老人の歌のようです。彼は老境にいたって敵に囲まれ、嘲りを受け、苦悩にさいなまれています。しかし詩人は、若き日から培ってきた神との命の絆のゆえに、神への信頼から離れることなく、「白髪になっても、捨て去らないでください」(18節)と、まっすぐに訴えています。信頼が祈りを生み、祈りが神との絆を深めるのです。それゆえ彼は、苦難のなかでますます、救いの確信を深めていきます。あなたは多くの災いと苦しみを
わたしに思い知らせられましたが
再び命を得させてくださるでしょう。
地の深い淵から再び引き上げてくださるでしょう。(詩編71:20)