月刊誌リジョイス 聖書日課 2016年12月16日(金)

詩編119編(5) 健やかな弱さ

わたしは口を大きく開き、渇望しています。
あなたの戒めを慕い求めます。
わたしの目は川のように涙を流しています。
人々があなたの律法を守らないからです。(詩編119:131,136)

 神と、その教えが軽んじられている、それが、この詩編を取り巻いている世界です(136節)。しかし、その愚かしい世界の中にも、神のために涙を流す、そのような健やかさを持つ人びとがいます。しかも、そこで流されている涙は、「川のように」、絶え間なく、終わりがなく、透き通っている、そういう悲しみを湛えるものです。

 その人びとに、世界を直接、変革させる力があるわけではありません。神の教えを大きな声で叫ぶ、そういう勇ましさがあるわけでもありません。むしろ、彼ら・彼女らは、この世界の中で魂を渇かせ、倒れ込んでしまいそうな弱い存在です。深い深呼吸をするように御言葉を身体に浸み込ませなければ、この世界の中に吸い込まれていきそうな弱い存在です。人びとは、神のために涙を流すことしかできません。しかし、そのような涙を、かつても、今も、これからも、世界はどれほど必要としているでしょうか。私たちは、このような人びとでありたい。

 神の憐れみは弱き者の涙に注がれ、世界はいまだ愚かしさに染まりきらない、そうわたしは信じています。

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