月刊誌リジョイス 聖書日課 2022年1月 6日(木)

創世記12章 アブラハム(1)信仰の旅の始まり

  

アブラムは、主の言葉に従って旅立った。(創世記12:4)

 天地万物の創造と、人間の堕落を描いた1〜11章は、旧約聖書全体が扱う世界の土台または共通基盤を描いた物語と言えましょう。

 しかし、『創世記』という書物の中心は、むしろ12章から始まる族長たちの物語にあります。

 「あなたは生まれ故郷、父の家を離れて、わたしが示す地に行きなさい。…地上の氏族はすべて、あなたによって祝福に入る」(1〜3節)。

 この言葉は、アブラハム物語の出発点だけでなく、これから聖書全体を通して物語られる神の救いの計画の全貌をも指し示す言葉です。

 人類の始祖アダムの子孫が拡大する一方で、『創世記』は逆に、アダムからセツ、ノア、セムというように家系を絞り込み、ついに神が選ばれた一人の人物に焦点があてられます。しかも、この一人の人物から始まる子孫を通して、地上のすべての民族が祝福を受けると。

 物語の舞台もまた、これまでのメソポタミヤ地方から、今や“神が示す地”へと移ります。神はいったい何をなさろうとしているのか。行く先も目的もわかりません。

 ただ「主の言葉に従って旅立った」。それこそがまさに、信仰の旅の始まりなのです。

 【祈り】 神様。たといわたしの人生の行く先や目的がわからなくとも、ただあなたに従う信仰を与えてください。

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