「主の神殿の庭に立って語れ。ユダの町々から礼拝のために主の神殿に来るすべての者に向かって語るように、…ひと言も減らしてはならない。」(エレミヤ26:2)
背信のユダの民の罪を指摘し、悔い改めを迫った預言者エレミヤの任務は、実に困難なものでした。語るようにと主に遣わされた場所は、ほかでもない神殿でした。神殿は神礼拝の中心地です。また、神殿は神に特別な召しを与えられた祭司やレビ人が日夜仕えている場所です。
ソロモンは神殿の奉献式で、「昼も夜もこの神殿に、この所に御目を注いでください。ここはあなたが御名を置くと仰せになった所です」と祈りました(代下6章20節)。神殿は契約の民が主を主として礼拝し、主のご臨在に接し、主に全き献身を表す場所です。主の民にとって神殿での礼拝は霊的な生命線でした。
しかし、このときエレミヤに託された使命は、その神殿の庭で民の罪を指摘し、裁きを予告し、悔い改めを促すことでした。それは、民の心が主から離れ、神殿での礼拝が霊と真理をもって献げる礼拝(ヨハ4章23節)とは程遠いものだったからでした。人びとは律法で定められていた宗教的行事を滞りなく行ってはいましたが、形骸化していました。その結果、主なる神との交わりを失いました。そして偶像礼拝が入り込み、不道徳がはびこりました。彼らを立ち帰らせるためにエレミヤが神殿の庭に遣わされたのは、民を愛する主の恵み以外のなにものでもありません。
【祈り】 御心にかなう礼拝をささげることができるよう聖霊が導いてください。
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