エレミヤ38章 降伏すれば生き残ることができる
「王様、この人々は、預言者エレミヤにありとあらゆるひどいことをしています。」(エレミヤ38:9)
王の取り巻きである官僚たちは、エレミヤが民衆に向かってバビロニアへの投降を呼びかけているのを聞いて、エレミヤを殺そうと考えました。エレミヤは泥のたまった水溜めに放り込まれて放置されます。しかし、エレミヤを気遣うクシュ人エベド・メレクの進言によってエレミヤは何とか危機を脱しました。
国の滅びは避けられないが、自分から投降するなら命は助かるとの進言は、バビロニアびいきの政治的な提案ではなく、主なる神の言葉でした。しかし、民衆を恐れ、プライドを捨てることのできない王は、決断できないまま、国が滅びる様を手をこまねいて見るほかありませんでした。
4節で、役人たちは王に進言してエレミヤを処刑しようとしました。戦争中に民衆の士気を挫いてはならないとの誤った意識に囚われてのことでしょう。しかし、国民のために平和を願わず災いを望んだのがどちらであったかは、結果をみれば明らかです。敗北を恥として徹底抗戦に出た結果、驚くほどの被害を被って国を失う結果となったのです。
こうした無謀な歴史を繰り返す、今日の私たちの国も世界もあると思わざるを得ません。
【祈り】 憐れみ深い天の御神、自分の立場や特権にしがみついて罪の裁きを恐れない罪深い私たちが、真に生き延びる術を聖書から学べますように。
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