何度でも新しく | 申命記 5章

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申命記 5章

主はこの契約を我々の先祖と結ばれたのではなく、今ここに生きている我々すべてと結ばれた。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 申命記 5章3節

何度でも新しく

礼拝で唱えられる「十戒」は出エジプト記20章の他に申命記のここにもあります。この十戒の告知に特徴的なのは、シナイ山の出来事が神の啓示の決定的な出来事とされていることです。その光景は神の尊厳を表す火と煙に満たされ、その中から語りかける神の声を民は直接耳にしました。ここに明記されるのは、モーセが語る神の言葉の尊厳です。それは後々「律法」の尊厳となり、モーセの語った言葉は神の言葉であることをすべての会衆が受け入れるよう要請されます。

モーセはこの十戒を中心とした神の律法を、今日、ここで、全会衆を前にして生ける神の言葉として語ります。それはかつてシナイ山で起こった荘厳な出来事ですが、その尊厳がそのままモーセの説教によって再現されます。「主はこの契約を我々の先祖と結ばれたのではなく、今ここに生きている我々すべてと結ばれた」。

ここで語られている「今」はモアブに集結した民に呼びかけられた「今」ですが、この「今」はその後の時代を一貫して、この御言葉が語られる現在において何度でも「今」として新しく語られます。

牧野 信成(長野佐久伝道所)