命の道 | 詩編 16編

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詩編 16編

あなたはわたしの魂を陰府に渡すことなく
あなたの慈しみに生きる者に墓穴を見させず
命の道を教えてくださいます。
わたしは御顔を仰いで満ち足り、喜び祝い
右の御手から永遠の喜びをいただきます。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 詩編 16編10節~11節

命の道

詩編の作者は、「神よ、守ってください」と訴えています。死がすぐそばまで迫っているからです。しかし、彼の心を満たしているのは、死の恐怖ではなく、死に打ち勝つ神の救いの恵みです。教会は、この詩編を主イエス・キリストの復活をあらわすメシア詩編として理解し、読み継いできました。

この詩編に関して興味深いのは、ペトロとパウロが共に主の十字架と復活に関する預言として引用していることです(使2章25~28節、13章35節)。一方はガリラヤなまりのある漁師で最初からの弟子、一方はローマ市民権を持つユダヤ人社会のエリートで、主の弟子を迫害していたさなかに回心した弟子です。2人の間には違いもあり、衝突もありました。けれども、2人がこの詩編をどのように引用したかを思い巡らしてみると、主イエス・キリストの十字架と復活の愛において2人は一致し、共に「命の道」を歩んでいたことがわかります。

きょう、この詩編の御言葉が与えられた私たちもまた、主の十字架と復活によって与えられている「命の道」を共に歩みましょう。

唐見 敏徳(忠海教会)