自分を救わないイエス | ルカによる福音書 23章26-43節

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ルカによる福音書 23章26-43節

十字架にかけられていた犯罪人の一人が、イエスをののしった。「お前はメシアではないか。自分自身と我々を救ってみろ。」日本聖書協会『聖書 新共同訳』 ルカによる福音書 23章39節

自分を救わないイエス

主イエスは、死んだ者を生き返らせ、病人を癒し、悪霊を追い出し、嵐を静めるお方です。そのような力のあるお方が、今、十字架の苦しみを受けながら、多くの人びとから侮辱され、嘲られています。キリスト者にとって、悲しみよりも悔しくてしょうがなく感じられるところです。

しかし、主イエス・キリストは自分を救うことをしませんでした。何度も繰り返して出てくる「自分を救ってみろ」という言葉は、40日間断食された主イエスを誘惑した悪魔の言葉に似ています。キリストが自分を救うとは、悪魔の思い通りになることです。そうすると、罪深い人間を救うことができなくなるからです。キリストは、そのような悪魔の意図をよく知っておられました。

キリストは苦しみを耐え忍び、十字架の上で死んでくださいました。その苦しみは、本当はキリストの受けるべき苦しみではありません。罪深い私たちが受けるべき苦しみです。私たちの救いのために、決して御自分を救わない主イエスの深い愛を心に留めましょう。十字架のキリストを仰いで礼拝することは、何と大きな幸いでしょうか。

申 成日(広島教会)