善をもって悪に勝つ | サムエル記上 24章

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サムエル記上 24章

ダビデに言った。「お前はわたしより正しい。お前はわたしに善意をもって対し、わたしはお前に悪意をもって対した。お前はわたしに善意を尽くしていたことを今日示してくれた。主がわたしをお前の手に引き渡されたのに、お前はわたしを殺さなかった。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 サムエル記上 24章18節~19節

善をもって悪に勝つ

これまでダビデはサウルに命を狙われ続けていましたが、ついに立場の逆転が起こります。ダビデとその兵が隠れていた洞窟に、サウルが用を足すため無防備な状態で入ってきたのです。サウルを殺すには絶好の機会でした。実際ダビデの兵はそれを主の御心としてダビデに勧めました。しかしダビデはサウルの上着の端を切り取っただけでした。それはサウルが「主が油を注がれた方」であり、その方に手をかけることを主は許されないと考えたからです。そしてダビデは自分の手で復讐せず、主の裁きと報復にすべてをゆだねました。

そのことを知ったサウルは声をあげて泣き、ダビデの正しさを認めました。さらに、これまで必死で阻止しようとしてきた、ダビデがイスラエルの王になることさえ認めたのです。こうしてダビデはサウルの悪に悪をもって返すことなく、むしろ善をもってその悪に打ち勝ちました。

私たちも「悪に負けることなく、善をもって悪に勝ちなさい」と勧められています(ロマ12章21節)。それは主を畏れ、主の裁きにすべてをゆだねる信仰によってのみ可能となります。

坂尾 連太郎(南与力町教会)