人々の思惑 | サムエル記下 16章

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サムエル記下 16章

「わたしの身から出た子がわたしの命をねらっている。ましてこれはベニヤミン人だ。勝手にさせておけ。主の御命令で呪っているのだ。主がわたしの苦しみを御覧になり、今日の彼の呪いに代えて幸いを返してくださるかもしれない。」日本聖書協会『聖書 新共同訳』 サムエル記下 16章11節~12節

人々の思惑

エルサレムから落ち延びるダビデの前に次々と人が現れます。15章の人びとに比べて、16章の人物は一癖ある人たちばかりです。

サウル王の孫メフィボシェトの従者ツィバは、ダビデに食料を提供します。同時に彼は、自分の主人メフィボシェトがダビデを批判していたと告げ口をします。

同じサウル家に属するゲラの子シムイは、逃げ落ちるダビデ一行に石を投げ、呪いの言葉を吐きます。ダビデは、この屈辱的な言葉をも主から出たものとして甘んじて受けます。後にこの二人が再びダビデの前に姿を見せる時、彼らの心の内が明らかになります(19章)。

一方、ダビデの密命を受けたアルキ人フシャイは、エルサレムに入城したアブサロムに取り入ります。また、ダビデの顧問ギロ人アヒトフェルは、ダビデがエルサレムに残した側女のところに入るようアブサロムに進言します。これは父の王位を自らのものとすることの宣言です。また同時に、憎しみを増し、対立を決定的にするものでした。

人の思惑が交錯します。しかし、最後に実現するのは、神の御心なのです。

長田 詠喜(新所沢伝道所)