死を超える力 | マルコによる福音書 5章21-43節

RCJメディアミニストリー「ふくいんのなみ」のトップページへ戻る

マルコによる福音書 5章21-43節

「わたしの幼い娘が死にそうです。どうか、おいでになって手を置いてやってください。そうすれば、娘は助かり、生きるでしょう。」そこで、イエスはヤイロと一緒に出かけて行かれた。
…そして、子供の手を取って、「タリタ、クム」と言われた。これは、「少女よ、わたしはあなたに言う。起きなさい」という意味である。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 マルコによる福音書 5章23節~24節、41節

死を超える力

ヤイロの娘と出血の止まらない女性が登場します。ヤイロの娘は12歳でした。出血の止まらない女性は12年間苦しんでいました。肉体的な苦しみだけではなく、社会生活から疎外された苦しみがあったでしょう。12年間が二つのエピソードを結んでいます。出血の止まらない女性は、主のいやしを通して信仰の告白に導かれます。

マルコ福音書は、主イエス・キリストの御苦しみに深い関心を持っていて、私たち一人ひとりの苦しみを主イエスの光で照らし出します。

私たちの苦しみの頂点は死で、愛する者との死別はとても悲しい出来事です。ヤイロの娘の死は家族に大きな痛手となりました。しかし、主イエスはヤイロを伴って、その死に立ち向かって行かれます。「タリタ、クム(少女よ、起きなさい)」という言葉は、そして、ヤイロの娘の死からの生き返りは、主イエス・キリストが死を超える力を持っておられることを示しています。

私たちの苦しみや悲しみの頂点である死は、キリストの御前では無力です。「恐れることはない。ただ信じなさい」(36節)との主の御言葉に、深い慰めがあるのです。

村山 雄一(那覇教会)