耐えられない冷たさの中にあっても | 詩編 147編

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詩編 147編

ハレルヤ

羊の毛のような雪を降らせ
灰のような霜をまき散らし
氷塊をパン屑のように投げられる。
誰がその冷たさに耐ええよう。
御言葉を遣わされれば、それは溶け
息を吹きかけられれば、流れる水となる。

ハレルヤ。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 詩編 147編1節、16節~18節、20節

耐えられない冷たさの中にあっても

冬になり気温が下がると、雨になるはずの水分は雪や霜や氷塊となります。この自然界の営みはすべて、神の仰せ、御言葉によっている、と作者は理解しています。

現代人は、もっと科学的に説明するでしょう。しかし、創世記にある通り、神が光あれと言われると光がありました。そのような信仰的な眼差しで見れば、水が御言葉により形を変えている、という理解も納得できます。

本詩の背景は、バビロン捕囚からの解放です。主は、「追いやられた人々を集め」「打ち砕かれた心の人々を癒し、その傷を包んでくださる」憐れみ深いお方です(2、3節)。冬の描写は、苦しかった過去と関わりがあるかもしれません。耐えられないような「冷たさ」を体験しても、御言葉により氷塊が溶けることを知れば、希望が心を温めます。

私たちは苦難の中にあっても「馬の勇ましさ」や「人の足の速さ」(能力)を憧れません(10節)。「御言葉は速やかに走」り(15節)、私たちを先回りし、すべてを整えます。御言葉に依り頼み、「主の慈しみを待ち望」み(11節)、「ハレルヤ」と賛美します。

岩崎 謙