ヨセフ物語(3)地上の幸福ではなく | 創世記 49-50章

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創世記 49-50章

「神は、必ずあなたたちを顧みてくださいます。そのときには、わたしの骨をここから携えて上ってください。」日本聖書協会『聖書 新共同訳』 創世記 50章25節

ヨセフ物語(3)地上の幸福ではなく

死んだと思っていた息子ヨセフとの再会を果たしたヤコブは、家族と共にエジプトで暮らし、穏やかな日々を過ごして世を去ります。ヨセフと兄たちも和解して、すべては丸く収まり、ハッピーエンドです。しかし、それが創世記の目的ではありません。

死を前にしたヤコブは、自分の遺体を必ずカナンにある先祖代々の墓に葬るようにと繰り返し命じます。ヨセフもまた、神が子孫を約束の土地に導かれる時には、自分の骨を携え上るようにと指示するのです。

人間の堕落の故に、罪と悲惨の世界がもたらされました。今や人間が築き上げた最高の文明であるエジプトでの栄光を手にしながら、神の民のゴールはそこではないと、『創世記』は示します。こうして約束の物語は、次へと続いて行くのです。

「わたしが示す地に行きなさい」と言われた主の言葉をひたすら信じて、地上では旅人として生きること。たとい約束されたものを手に入れられなくとも、はるかにそれを望み見て喜んで生きること。

これこそが『創世記』が物語る族長たちの生き様です。そして、聖書の神は、彼らの神と呼ばれることを決して恥とはされませんでした(ヘブ11章16節)。

【祈り】

神様。地上での幸福に安住することなく、絶えず天の都を望み見て歩めるように強めてください。

吉田 隆(甲子園伝道所)