人間の根本問題への導き | ローマの信徒への手紙 7章

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ローマの信徒への手紙 7章

わたしは自分の望む善は行わず、望まない悪を行っている。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 ローマの信徒への手紙 7:19

人間の根本問題への導き

わたしは自分の望む善は行わず、望まない悪を行っている。このパウロの言葉に出会った時、わたしは驚きを禁じ得ませんでした。それまでにまったく聞いたことのない言葉だったからです。もしかすると自分がそれまで考えたこともないような奥の深い問題がここに示されているのではないか。そう思いました。

そして、問いはじめた、否、問うことに導かれていきました。人間がほんとうに解決しなければならないのは、善をなそうと願い、意志しつつ、しかしかえって望まない悪を行ってしまうという、まさにこの問題なのではないか、と。24節でパウロが「わたしはなんと惨めな人間なのでしょう」と叫ぶ、この惨めさをこそ人は見つめなければ、そして克服しなければならないのではないだろうか。聖書がここで問うている人間の自己矛盾、自己分裂、生まれながらの罪とそこからの救いということこそ、人間の根本問題ではないだろうか。

人は業によらず、功績によらず、ただキリストの十字架の血潮によって罪赦され、キリストを信じる信仰によって、この生まれながらの惨めさから救い出されるのです。自分の惨めさを知ることと、キリストの救いのすばらしさを知ること。それは文字通りひとつのことなのです。

【祈り】

あなたの御言葉により、人はおのが真相を知らされ、救いと命に導かれます。アーメン。

木下 裕也(岐阜加納教会)