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ヨブ3章
「わたしの生まれた日は消えうせよ」


やがてヨブは口を開き、自分の生まれた日を呪って、言った。
わたしの生まれた日は消えうせよ。
男の子をみごもったことを告げた夜も。
(ヨブ 3章1節~3節)

 苦しみの中で、ヨブは口を開いて嘆きます。独り言のように語られますが、もちろん、これは神に対する訴えです。ただし、呪いの言葉が神に向けてのものとならないよう慎重に注意されています。

 「わたしの生まれた日は消えうせよ。男の子をみごもったことを告げた夜も」。誕生の日も、みごもられた夜も皆、神の御業です。しかし、神には言及せずに生まれた日、みごもられた日を呪います。ヨブにとってはぎりぎりの選択でしょう。神を呪ってはならない、しかしこの窮状は神にこそ聴き上げていただくほかないと考えるのです。

 それで、ヨブは呟きます。すなわち、苦しいとき、大変なときには、呟いてもよい。そう示されていると言えるでしょう。どんなときにも歯ぎしりして正論を吐き、心にもない笑顔を見せるのだけが信仰ではないでしょう。呟く。しかし決して神から離れず、固着していることが大切です。むしろ神から決して離れないように、呟きも許されていると考えるべきなのかもしれません。私たちも、ヨブが嘆いて訴えたように、神さまに訴えて、神から離れることなく、恵みに留まるのです。

大場 康司(召天)

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