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詩編83編
「神の雄弁な沈黙」


神よ、沈黙しないでください。
黙していないでください。
静まっていないでください。
御覧ください、敵が騒ぎ立っています。
あなたを憎む者は頭を上げています。
(詩編 83編2節~3節)

 神は沈黙を守っておられるのでしょうか。この問いは信仰者にとってとても大きな問いです。苦しみの中にあるとき、とりわけ自分の信仰に敵対する人たちから受ける辱めの中にあるとき、神が何も答えてくださらないように思えて、苦しみに動揺が加わります。敵対する者たちも、神の沈黙は神がいない証拠であるかのように、信仰者たちを責め立てます。「お前の神はどこにいる」と(詩編42編11節)。

 きょうの個所でも、詩編の作者は沈黙する神に必死で呼びかけます。傲慢な敵に囲まれた自分の窮状を切々と訴え続けます。神が立ち上がって敵を蹴散らし、滅ぼしてくださるようにとさえ願います。

 神はこの訴えに何も答えられなかったのでしょうか。そうではありません。この詩編の作者の心に変化を起こします。敵の滅びを願っていた彼に、敵がまことの神の存在を悟ることができるようにと願わせます。わたし自身のことを振り返ると、その願いのおかげで、まことの神を信じる者と変えられました。神は今も生きて雄弁に働いておられます。

山下 正雄(RCJ メディア・ミニストリー)

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