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詩編107編
「苦難の中から叫ぶと」


苦難の中から主に助けを求めて叫ぶと
主は彼らを苦しみから救ってくださった。
(詩編 107編6節)

 読み終えて、幾度も繰り返されている二つのフレーズが心に残ります。ひとつは、「苦難の中から主に助けを求めて叫ぶと」です。

 6節は荒れ野で渇く旅人の、13節は捕らえられた囚人の、19節は死と滅びを前にした罪人の、そして28節は嵐に翻弄される船乗りたちの叫びです。彼らは、ただ神に助けを求めました。神はその声を聞き上げて、ふさわしい仕方で助けてくださいました。

 心に残るフレーズのもうひとつは、「主に感謝せよ。主は慈しみ深く、驚くべき御業を成し遂げられる」です。

 私たちは、人生の荒れ野で道に迷い、罪の支配に閉じ込められ、嵐の中で深い淵に呑み込まれようとしていたのです。しかし、神の助けを得たとき、「神の慈しみと力、驚くべき御業」を知りました。

 イエス・キリストの救いにあずかる人は、自らの窮状を心から知って、主に助けを求める人です。「神がいなくてもやっていける」と豪語する人ではありません。自らを誇る罪を悔い改め、神に立ち帰るのです。詩人は最後に私たちに呼びかけます。「主をたたえよ」と。

禰津 省一(熊本伝道所)

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