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コヘレト4章
「虐げられる人の涙を見る」


わたしは改めて、太陽の下に行われる虐げのすべてを見た。
見よ、虐げられる人の涙を。
彼らを慰める者はない。
(コヘレト 4章11節)

 神との「縦」の絆を結び直すとき、「横」の人の姿が改めてはっきり見え始めます。

 第一に見え始めたのは「虐げられる人の涙」です。神を畏れ敬うことを忘れた者は、まず人を虐げることに向かいます。そして、その虐げを受けた人が流す涙を慰める者もいない。そのような涙がはっきり見え始めます。

 そして、「人間が労苦するのは仲間に対して競争心を燃やしているからだということ」。人との競争の内にしか自分を確認できないような空しい生き方が見えてきます。

 さらに「倒れれば、ひとりがその友を助け起こす。倒れても起こしてくれる友のない人は不幸だ」という友がいることの幸いも見えてきます。

 神との縦の関係を整え直すことが、そのまま人との横の関係を生き生きとしたものによみがえらせます。人を虐げ、人を蹴落とす、人間社会の罪のありさまにも、いっそう目を開かせられます。

 最後にその目覚めは信仰生活をする仲間への呼びかけともなります。悪いことをしたら自覚すべきこと、形ばかりの献げ物をするよりも、御言葉に「聞き従う」ことへと私たちをいざなうのです。

赤石 純也(伊丹教会)

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