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ルカ7-8章
「涙は必ず拭われる」


主はこの母親を見て、憐れに思い、「もう泣かなくともよい」と言われた。
(ルカ 7章13節)

 ここには葬儀の列がありました。ある母親の一人息子が死んで、棺が担ぎ出されるところでした。母親はおそらく、崩れるようにして泣いていたのでしょう。泣くこと以外、できることはありません。そのような母親を見て、主イエスは憐れに思い、「もう泣かなくともよい」と声を掛けてくださいました。

 主イエスは、死んだ息子を見て行動されたのではなく、何よりもまず泣いている母親を見てくださり、憐れに思ってくださいました。ここに、この奇跡の動機が示されています。

 そして、涙が止まる。悲しみの涙が嬉し涙に変わる。失った息子を、主イエスは返してくださいます。

 主イエスは、私たちを苦しめ、閉じ込め、自分の命よりも大切な私たちの愛する家族を硬直させてしまい、動けなくしてしまう、憎き死を、涙に暮れる私たちのために突き破ってくださいます。そして死を、永遠の別れではない、愛するあの人を主イエスが返してくださり、私たちの涙が拭われる時のための、ただ一時の別れにしてくださいます。

 死の力の前に涙せざるをえない私たちに肉体の死を超えた命を与え、私たちの涙を止めるために憐れみに大きく突き動かされてくださるのが、主イエスなのです。

 

 【祈り】

 「神はその民を心にかけてくださった」。人びとが叫んだこの言葉を私たちの言葉にしたいと思います。

吉岡 契典(板宿教会)

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