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2コリント1章
「恵みにより聖とされた者たち」


…コリントにある神の教会と、アカイア州の全地方に住むすべての聖なる者たちへ。
(2コリント 1章1節)

 「コリントの信徒への手紙二」の宛先の部分で、著者である使徒パウロはコリント教会の信徒たちに「聖なる者たち」と呼びかけています。「聖」という言葉は、聖書においては神とのかかわりにおける区分、分離を表す語です。

 すなわち「聖なる者」とは聖なる神に属する者、神の所有としてこの世から区別され、分離されている者を言います。この罪の世にあって神の憐れみを受けて救いへと選ばれ、世にある者とは別に取り分けられた者が聖徒です。その者の実質がどうかということ以前に、神が彼らを聖なる者とされたという事実が先立つのです。

 コリント教会の人びとは、自力でみずからを神の求める水準にまで高めることができるゆえに聖徒と呼ばれるのではありません。またこれから努力して、聖徒と呼ばれるにふさわしい実質を築き上げていかなければならないというのでもありません。パウロは彼らについて、今すでに神にあって聖なる者だと言うのです。

 この教会が異教世界から贖い出されてきたばかりの弱い、乳飲み子のような教会であったとしても、彼らをご自分の宝の民とされた神の選びの恵みは変わることも、揺らぐこともないのです。

 

 【祈り】

 ただひたすらなる恵みにより、私たちをも聖なる者としてくださったことを感謝いたします。

木下 裕也(岐阜加納教会)

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