2020年2月2日(日) イエスと出会った人々1「ペトロ」

 おはようございます。広島教会の牧師、申成日と申します。
 聖書を読みますと、イエスと出会って大きく人生が変わった人々が多く出てきます。これから4週間、そのような人々をリスナーのあなたに紹介させていただきたいと願います。

 最初は「ペトロ」という人です。ペトロはイエスの十二弟子の一人で十二弟子の頭とも言えるような人ですが、最初からそうであったわけではありません。彼はもともとシモンという名を持っていましたが、兄弟アンデレと共にガリラヤの湖で魚を取る漁師をしていました。

 この二人の兄弟の中で、まずイエスに従ったのはアンデレの方でした。ペトロは兄弟アンデレに誘われて、イエスに従うようになったのです。そしてイエスは、このシモンに「ペトロ」という新しい名前を与えてくださいました。その意味は「岩」という意味です。

 ペトロはイエスの弟子になる前に、最も記憶に残る二つの出来事を経験します。一つは、自分の姑が高い熱で苦しんでいるとき、イエスが言葉をもって熱を叱りつけて姑を癒したこと(ルカ4:38-41など)と、もう一つは一晩中漁をしても1匹の魚も獲れなかったのに、漁師でもないイエスが常識をはずれるような指示を出して、その通りにしたら網が破れそうになるほど魚が捕れた出来事(ヨハネ21:1-14)でした。

 ペトロはこの時、イエスは普通の先生ではないことを感じました。だからイエスの足もとにひれ伏して「主よ、わたしから離れてください。わたしは罪深い者なのです。」と告白しました。結局ペトロは、すべてのことを捨ててイエスに従う弟子になりました。

 12弟子の中で誰よりも熱心で最もイエスに信頼される弟子になりましたが、しかし、そのようなペトロも大きな失敗を経験します。イエスがご自分の死と復活のことを預言されるとき「そのようなことは絶対させない。」と言ったのですが、それは神様のご計画の中にあることだったので、むしろイエスに叱られました。(マタイ16:21-23など) また、イエスが弟子たちの裏切りを預言したときも「他の皆がつまずいても、自分は決してつまずかない。」と強気で言いましたが、結局イエスの預言通り、イエスが捕えられたとき、3度も「イエスを知らない」と否定してしまいました。ペトロは、そのような自分の弱さを気付き激しく泣いてしまいました。(マタイ26:69-75など)

 しかし、死から復活されたイエスはそのようなペトロのために彼の前に現れて彼を励まし、新しい使命を与えてくださいました。イエスはペトロに「ヨハネの子シモン、この人たち以上にわたしを愛しているか。」(ヨハネ21:15)と尋ね、この質問にペトロは自信満々に「はい、主よ、わたしがあなたを愛していることは、あなたがご存じです。」(同)と言いました。でもイエスは二度、三度、同じ質問をしました。ペトロはとても悲しくなりました。イエスを三度否定したことを思い出したからでしょう。

 悲しみながらペトロは「主よ、あなたは何もかもご存じです。わたしがあなたを愛していることを、あなたはよく知っておられます。」(同17節)と答えました。そう答えるペトロにイエスは3度も「わたしの羊を飼いなさい。」(同17節)とおっしゃって、ご自分の働きをペトロに委ねられました。

 聖書には記されていませんが伝えられた話によると、このときからペトロはイエスの代わりに福音伝道に励み、最後は逆さまの十字架にかけられて殉教したそうです。イエスと出会わなかったら、彼は普通の漁師で生涯を終えたかもしれません。しかしイエスとの出会いによって彼の人生は大きく変わり、2000年の歴史の中で人々から最もイエスに信頼された弟子として知られるようになりました。「わたしの羊を飼いなさい」という、愛するイエスの言葉に忠実に従い、生涯を終えたペトロは誰よりも幸せな人生を過ごしたと思います。

 人の人生を変えるイエスにあなたも出会ってみませんか。今日は日曜日です。近くの教会で礼拝がありますので、是非礼拝を通してイエス・キリストに出会ってみてはいかがでしょうか。