2018年1月17日(水) マルコ5章 汚れた霊からの解放


イエスがお許しになったので、汚れた霊どもは出て、豚の中に入った。すると、2千匹ほどの豚の群れが崖を下って湖になだれ込み、湖の中で次々とおぼれ死んだ。(マルコ5:13)

 異邦人の地に、一人の男に取りついてその人を苦しめていた悪霊がいました。「レギオン(大勢)」という名のこの悪霊はこの地にやって来た主イエスを恐れ、豚に乗り移らせてほしいと懇願します。主がそれをお許しになると、2千匹もの豚が湖へと暴走し溺死しました。他方、悪霊に苦しめられていた人は正気を取り戻しました。一人の男が命を回復し、多くの豚が死んだのです。その様子を見た人びとは、あろうことか主イエスをその地方から追い出そうとしました。豚は彼らの経済の基盤でした。苦しむ人が救われることより経済活動の方が彼らには大切だったのです。

 自分たちの繁栄のためには他人に犠牲を強いても良いという考えは、悪霊に取りつかれた神なきこの世にいつも現れてくるものです。それは共に死に向かって暴走する結果へと結びつきかねません。しかし主イエスはそうした世のただ中にいる私たちに、「主があなたを憐れみ、あなたにしてくださったことをことごとく知らせなさい」と促されるのです(19節)。