2019年2月12日(火) ローマ13章 上に立つ権威


人は皆、上に立つ権威に従うべきです。神に由来しない権威はなく、今ある権威はすべて神によって立てられたものだからです。従って、権威に逆らう者は、神の定めに背くことになり、背く者は自分の身に裁きを招くでしょう。(ローマ13:1-2)

 ローマの信徒への手紙13章の「上に立つ権威」は、現在の日本国憲法では、公務員として国民全体に奉仕し、国民の福祉を増進し不正を抑制する立法・行政・司法における為政者のことです。天皇には該当しません。

 為政者は、国民主権のもとで選挙された議員であり、日本国憲法を守り「尊重し擁護する義務」をもちます。天皇には国政上の権威は与えられていませんから、国民の「上に立つ」天皇という存在は、現在の憲法からは出てきません。しかし、実際には、天皇の権威は強化されていく傾向にあります。天皇がおこなうことのできる公的な行為を、憲法は13の国事行為に限定しています。その行為がどれほど形式的であったとしても、天皇が国権の最高機関である国会を召集することは、天皇が国会より上にあるかのような印象を与えてしまいます。

 私的であるべき皇室の葬儀や、大嘗祭という新しい天皇が神になる儀式にも公的性格があるとして、公費が支出されることは憲法違反です。憲法のもとでは、国民に対して宗教的権威を行使することはできません。