2023年6月30日(金) 詩編30編 賛美を共にし御国に送る


ひととき、お怒りになっても
命を得させることを御旨としてくださる。
泣きながら夜を過ごす人にも
喜びの歌と共に朝を迎えさせてくださる。(詩編30:6)

 パンデミックが始まってもう3年。このパンデミック中、わたくしどもの教会では4名の現住陪餐会員を地上から見送りました。4名とも最後は、ご自宅でご家族に見守られながら地上の生涯を走り切られました。

 ある方は教会のご近所だったので、ほぼ毎日と言ってよいほどお訪ねしました。そのとき、もちろん聖書も読みますが、わたくしがおもに用いたのは賛美歌です。「○○さん、お好きな賛美歌は? 何を今日、ご一緒に歌いましょうか?」とお尋ねすると、力を振り絞り噛みしめるように、「わたしのすきな さんびかは…『わかばの…さと…』」。「『みどりもふかき、わかばのさと…』ですね」。

 「緑も深き若葉のさと、ナザレの村よ、汝がちまたを心清らに行きかいつつ、育ちたまいし人を知るや」(讃美歌122)。亡くなった4人中3人が、この賛美歌が愛唱賛美歌でした。

 死を目前にした病床をお訪ねしつつ、毎回、いくつかの賛美をささげ、地上から天の領域に移される準備を共にいたしました。

 「かいぬし わが主よ」(354)

 「安かれ わが心よ」(298)

 まだ地上に共に居ながら、天の住まいを思いつつ、飼い主わが主イエスに祈りつつ、歌いつつ、賛美によって備えの時を共に過ごしました。

 【祈り】 神様。わたくしどもが地上を離れる間際まで、あなたをたたえ歌う心をわたくしどもにお与えください。