2023年10月23日(月) 創世記22章 自分を退け神に委ねたアブラハム


「その子に手を下すな。何もしてはならない。あなたが神を畏れる者であることが、今、分かったからだ。」(創世記22:12)

 アブラハムに試練が与えられます。神が与えてくださった愛する一人息子イサクを、自分の手で殺していけにえとして献げよ、と神ご自身がお命じになったのです。それだけでも耐えがたいことですが、これでは、そもそも最初にアブラハムに与えられていた、子孫がすべての民の祝福の源となるという神の約束も、ここで潰えてしまうことになります。

 これまでにもアブラハムに試練が与えられることはありました。そこでは、困難の中でも神の約束を信じて歩むことが求められていたと言えます。しかしここでは、その約束そのものが神ご自身によって覆されているのです。

 しかし、アブラハムは神の言葉に従います。もしアブラハムが、約束が反故にされてしまったと考えたなら、従うことはなかったでしょう。アブラハムは、自分には分からない御心を前にしても、なお約束の実現を信じ、分からないままにすべてを委ねたのです。それは、神の約束がどのように実現するのか、その道筋を自分で想定することをやめたということです。これこそがアブラハムの信仰です。

 それは御心に適うことでした。神は神ご自身にかけて誓い、約束を確かなものとしてくださったのです。

 【祈り】 わたしにもアブラハムのような、自分の思いを退けて神に委ねる信仰をお与えください。