2023年10月24日(火) 創世記23章 神とこの世に対して誠実に生きる


「わたしの願いを聞き入れてくださるなら、どうか、畑の代金を払わせてください。どうぞ、受け取ってください。」(創世記23:13)

 アブラハムの妻、サラが死にました。しかし、アブラハムは墓にするべき土地を所有していません。アブラハムは「寄留者」(4節)です。アブラハムは、この地上を旅人として生きているのです。

 アブラハムはここで土地を得ようとしますが、それは、旅人として生きることを放棄してのことではありません。土地の人びとは、「わたしどもの最も良い墓地を選んで、亡くなられた方を葬ってください」(6節)と提案してくれましたが、この提案には、この土地の人になってくださいという含みがあります。これに対してアブラハムは、土地の人びとに対し、慎重に礼を尽くしつつ、証人の前に正当な手続きを踏んで、代価を支払って土地を手に入れました。代金は不当に高いと言えるものだったにもかかわらず、です。

 信仰者はこの地上において、神に対してと、この世に対しての両者を同時に生きていると言えます。わたしたちは、この両者のどちらか片方をないがしろにしてしまうことなく、どちらに対しても誠実に生きることが求められています。たとえ、そのために犠牲を払うことがあったとしても、です。それが、この地上においては寄留者、旅人である信仰者の生き方なのです。

 【祈り】 わたしが神に対しても、この世に対しても、誠実に生きることができるようにならせてください。