2023年10月30日(月) 1コリント11章23-34節 宗教改革―それは聖餐改革


だれでも、自分をよく確かめたうえで、そのパンを食べ、その杯から飲むべきです。(1コリント11:28)

 宗教改革の「改革」は、元の健全な状態に戻すことを意味します。「宗教」全般の改革を意味しますが、厳密に表現するならば、「教会改革」を指します。当時のローマ・カトリック教会の現状を憂い、批判し、改革を目指す大きな流れ、運動を意味します。その中で、宗教改革者が多大の関心を払ったのは「聖餐」、すなわち「主の晩餐の礼典」の改革でした。

 ローマ・カトリック教会の教会活動の中心はそのミサ典礼にありました。司祭たちが民衆の理解できないラテン語の式文を朗読し、ミサを全く理解しないままで、ことあるごとにミサが執り行われました。ミサは教会の権力や維持のためにも乱用されました。本来の聖餐に戻すことこそ教会改革の眼目となったのは当然です。本来の聖餐、初代教会が守った礼典を取り戻すことこそ宗教改革が目指した「改革」でした。

 私たちもまた、聖餐を単なる儀式、意味のない象徴的な儀礼として、聖餐の礼典を軽んじているならば、宗教改革の伝統を継承する教会とは言えません。また、聖餐において約束されている贖い主、生けるキリストとの現実(リアル)の臨在とその贖罪の恵みにあずかる約束を明瞭に自覚して、心を燃やして聖餐にあずかっているかどうか、吟味しなければなりません。

 【祈り】 私たちの教会が、ふさわしく聖餐の礼典を守ることができますように。