2023年11月1日(水) ローマ1章16-17節 信仰のみ―宗教改革の三大原理―


福音には、神の義が啓示されていますが、それは、初めから終わりまで信仰を通して実現されるのです。(ローマ1:17)

 宗教改革の三大原理といわれるものは、「聖書のみ、信仰のみ(恵みのみ)、万人祭司」です。このうち、「信仰のみ」が改革派でもルーテル派でも強調されています。実際、ルターの改革運動は、ローマの信徒への手紙1章16、17節の聖書研究から引き出されたものです。

 ローマ・カトリック教会では、よきわざが救いの条件として重視されていました。よきわざは多種多様で、小さな善行、禁欲、修道生活、教会への奉献、社会的弱者への慈善、あるいは贖宥状(免罪符)の購入(ローマのバチカン聖堂の改築費用捻出が名目)、さらに十字軍参加まで含まれていました。このようなよきわざによって、死後しばらく滞在する煉獄の期間が決まるという、死後の世界のシステムまで、教会が決めていました。

 宗教改革は、このような救済方法の体系に挑戦するものでした。ただ、心の内面の、キリストの贖罪による罪の赦しによって永遠の生命を獲得できるという信仰に復帰することが核心部分でした。

 この信仰のあり方を失い、信仰そのものが自覚されなくなり、単なる気分の問題にされてしまいかねないならば、私たちは、深刻に信仰そのものを反省しなければなりません。信仰が魂を救うのだという、その原点に戻りたいものです。

 【祈り】 キリストの贖罪の果実を信仰によって受け取ることができますように。