あさのことば 2004年3月23日放送     あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

立石 章三(横浜中央教会牧師)

メッセージ: できること、したいこと


 お元気ですか。横浜中央教会の立石章三です。

 ドイツの有名な詩人ゲーテの話です。『若いウェルテルの悩み』や、『ファウスト』という戯曲で有名ですね。そのゲーテがこんなことを言っています。
「人間の生活はすべて次の二つから成り立っている。したいけれど、できない。できるけれど、したくない」。私はあれもしたい、これもしたい。けれども世の中のほとんどはできないことばかりです。さてその反対に、今日中に原稿をかかねばならないとか、部屋の掃除、戸棚の整理、手紙の返事、あの仕事、この仕事。できるけれどもしたくない。なるほどゲーテの人を見る目は辛辣ですね。
 さてある人がユダヤ教の先生であるラビに尋ねました。旧約聖書の教えは一言で言うと何でしょうか。その先生は答えました。「あなたが人からされて嫌なことは、あなたもしてはならない」。同じようなことを中国の孔子も言いました。「自分にしてほしくないことは、人にもしてはならない」

 さて同じ問題について、イエス・キリストはこう言われました。
「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。これこそ聖書の中心である」。イエス・キリストだけが積極的思考の持ち主でした。「自分にしてほしくないことは、人にもしてはならない」という消極的な姿勢ではなく、「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい」。私たちが人にしてほしいことは無制限です。そのとおり、イエス・キリストは無制限の愛を私たちに与えて下さいました。私たちの罪のすべてを身代わりになって引き受け、十字架にかかって死んで下さったのです。キリストがすべてのことができるお方でしたが、私たちのために、最もつらいことをして下さったのです。

Copyright (C) 2004 RCJ Media Ministry All Rights Reserved.