キリストへの時間 2005年10月23日放送    キリストへの時間宛のメールはこちらのフォームから送信ください

泥谷ちひろ(山田教会牧師夫人)

泥谷ちひろ(山田教会牧師夫人)

メッセージ: 「歴史に学ぶ−戦争」

 神さまは創造の時、人間のために素晴らしい住環境と食環境を整えてから人を造られました。しかしアダムが神さまの命令に背いたため罪が世に入り、あらゆる悲惨が生じました。今の世の中で私たちが見る通りです。罪は更に大きな罪と悲惨とを生み出しています。  今日は戦争について考えてみたいと思います。人類は古い昔から繰り返し戦争をして来ました。私たちはそれらから何を学び取るかということが大切です。

 日本の戦争で強く私の心に身近に残っている事を少し話したいと思います。

 私が小学校低学年の頃、日清戦争や日中戦争の事などをよく耳にしました。その中に1941年12月8日に太平洋戦争が始まりました。日本は強い国だと信じていましたから、近所の若いお兄さん達が次々と出征して行くのを日本の旗を振って元気に歌を歌って見送っていたのです。ところが1945年(昭和20年)8月に敗戦となりました。その頃から私はよく考え込むようになりました。天皇を神と信じ込まされていた時代から一変して何が何やら分らない時代に移って行きました。

 日本の国は中国や韓国から東洋の文化を豊かに受けて来たにもかかわらず、戦争中は驕り高ぶっていました。私たち小学校のクラスでは韓国の方が10人位居ましたが、ある先生は特に差別視していました。また神戸でしたが中国人の住んでいる地域がありますが、ふとした事から日本人の子どもが中国人の子どもを袋叩きにする光景を見ました。

 戦地でも兵隊によってはとても酷い事をしたと聞きました。米国ミシガンのグランドラピッズにいた時、外国人を大勢招いて親睦会をして下さったある家庭に招かれました。そんな最中に、つかつかとこちらに向って歩いてくるやや年配の人がいました。何だろうと思っていましたら、(その人はタイ人だと後で分りましたが、)日本語で私を睨みつけて言いました。「日本の軍人は酷い事をしました。赤ん坊を上に放り投げて刀で刺したんですよ。団子のように。ひどいことをした。−私は一瞬血の気が引いて倒れそうになりましたが深々と頭を下げ、「すみません。」と言いました。それが精一杯でした。彼はそう言い残すと向うへ行って了い、二度と会いませんでしたが、忘れられないことです。

 また、インドネシヤで働かれた今は亡き入船尊先生という方は、インドネシヤに行って説教をする前には必ず『戦争中は皆さんに悲しい思いをさせすみませんでした。どうかお赦し下さい。』と言う意味のお詫びをしてから説教すると言っておられました。毎回言うのでインドネシヤの人たちが『入船先生。もういいんですよ。入船先生は日本人でもちがう。前に向って赦し合い進んで行きましょう。』という意味のことを言ってくれたと聞きました。「過去の事は忘れて未来に向って行きましょう。」と言うのは被害者から言う言葉であって加害者から言うべき言葉ではないと思います。被害を受けたことは誰も忘れられません。危害を与えた者は誤らなければならない。許せ、とか、もう時効だ、と言うのは言ってはならない事だと思うのです。

 戦争は悲惨です。愚かなことです。戦争の歴史からどの国のリーダーたちも学ぶべきだと思います。

 聖書の第Tヨハネ1章ではこう言っています。「もし私たちが自分の罪を言い表わすなら、神は真実で正しい方ですからその罪を赦し、すべての悪から私たちをきよめて下さいます。」

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