詩編のことばとこころ 2005年5月29日(日)放送

山下正雄 (ラジオ牧師)

山下正雄 (ラジオ牧師)

メッセージ: 「重荷を主にゆだねよ」(詩編55:23)

 おはようございます。ラジオ牧師の山下正雄です。

 今朝は旧約聖書詩編の第55編の言葉です。

 「あなたの重荷を主にゆだねよ 主はあなたを支えてくださる。 主は従う者を支え とこしえに動揺しないように計らってくださる。」

 この詩編の作者は、うろたえるほどの悩みの中で、この詩を書きました。不安で心が動揺しています。死の恐怖で身も心も震えがとまらないほどです。できることなら、背中に翼が生えて、この直面している苦難から飛んで逃げてしまいたいと思うほどです。しかも、こともあろうに、その敵と言うのは、かつて一緒に神を礼拝した仲間なのです。楽しく親しく交流を温めた友が自分を苦難のどん底に突き落としているのです。

 これほどの苦しみに遭うとき、人はもう積極的に何かの解決策を考えることもできなくなるほど心が萎えてしまいます。平常心を保って苦難を乗り越えることは不可能に思えます。

 しかし、この悶えるほどの苦しみの中で、この詩編の作者は一つの結論に至りました。

 「あなたの重荷を主にゆだねよ 主はあなたを支えてくださる」

 苦しみを自分の手で握り締め、自分一人の背中で背負って立つならば、その苦しみから解放されることは決してないのです。自分で握り締めた苦しみを手放し、背負った重荷を聖書の神にすべて委ねるとき、言いようのない平安が心を満たすのです。

 それではきょうもあなたの上に主の平安が豊かにありますように。

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