キリストへの時間 2006年3月26日放送    キリストへの時間宛のメールはこちらのフォームから送信ください

山下正雄(ラジオ牧師)

山下正雄(ラジオ牧師)

メッセージ: 「迷信からの解放」

 おはようございます。山下正雄です。

 人間は実に信心深い生き物です。なぜなら、神が人をそのようにお造りになったからです。信じる心は神から与えられた最も人間らしい能力の一つです。

 しかし、信じる心も、残念ながら人間の罪深い心によってゆがめられてしまいました。信じなくてもよいものを空想し、恐れなくてもよいものを恐れる心が、いつしか本当の信じる心を蝕んでしまったのです。その最たる例は迷信です。日本にもたくさんの迷信があります。例えば「夜に口笛を吹くと、蛇が出る」と言われています。あるいは「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」と言われています。あるいは「霊柩車を目にしたら親指を隠さないと親が亡くなる」と言われています。確かに、もうこんな古典的な迷信をまともに信じて恐れる人はいないかもしれません。しかし、この類の迷信は品を変え形を変えて次々と生まれてくるものです。ラッキーナンバーを信じたり、ラッキーカラーを信じたりするのも迷信でしょう。

 災いを避け、幸せに暮らしたいと願う気持ちは大切なことであることは言うまでもありません。しかし、それを迷信を信じることで実現しようとするところに罪深い人間の愚かさがあるのです。

 新約聖書のコロサイの信徒への手紙2章8節にこんな言葉があります。

 「人間の言い伝えにすぎない哲学、つまり、むなしいだまし事によって人のとりこにされないように気をつけなさい。それは、世を支配する霊に従っており、キリストに従うものではありません。」

 迷信は人間の言い伝えに過ぎません。むなしいだましごとです。迷信を生み出した動機がどんなに純粋なものであったとしても、それらは少しもわたしたちの生活を潤すものではないのです。それに囚われれば囚われるほど、かえってわたしたちの生活は潤いから遠いものになってしまうのです。それらは、本当に恐れるべきものを教えていませんし、本当に幸せに至る道を指し示していないからです。

 パウロはわたしたちがそうした迷信から本当に解き放たれるために、キリストと結びついて歩むようにと勧めています。

 「あなたがたは、主キリスト・イエスを受け入れたのですから、キリストに結ばれて歩みなさい。キリストに根を下ろして造り上げられ、教えられたとおりの信仰をしっかり守って、あふれるばかりに感謝しなさい。」

 そうすることで、わたしたちを束縛するあらゆる迷信から解放されるのです。

 残念ながら科学万能の時代になったからという理由で、迷信が克服されるのではありません。事実、人々は科学によっては得られない幸福を迷信や占いによって実現しようと密かな心の支えとしているのです。おそらくこれからもどんどんと新しい迷信は生まれてくるでしょう。そして、本来は人間を幸福へ導くために生まれてきた迷信のために、人間自身がそれに縛られてもっとも苦しい生き方を強いられてしまうのです。

 その迷信からわたしたちを解放してくださるお方は、イエス・キリストだけです。キリストだけが、わたしたちを無知と迷信から解放してくださるのです。

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