あさのことば 2012年8月9日(木)放送    あさのことば宛のメールはこちらのフォームから送信ください

今井献(東京教会牧師)

今井献(東京教会牧師)

メッセージ: 何が起っているのか

 いかがお過ごしでしょうか。東京教会の今井献です。
 今日は8月9日、長崎に原子爆弾が落とされた日です。広島と長崎において原爆を受け、その被害と悲惨を経験した日本は、原子力を兵器として用いないという原則を持ち、原子力の平和利用を推進してきました。
 しかし、昨年3月の東日本大震災において、福島県の原子力発電所が事故を起こし、今も数え切れない多くの人が自分の家と故郷に戻れないままでいます。理不尽としか言いようがありません。平和利用とは一体何であったのか、もう一度考え直さないわけにはいきません。

 半径30キロに渡って立ち入りが制限されました。それ以外にも放射能汚染がひどく、避難しなければならない地域があります。もし、東京や大阪で半径30キロ以内の立ち入りが制限され、住むことができなくなったとしたらどのようなことになるでしょうか。場所は違っていても、福島県ではこのことが現実に起っているのです。

 キリスト教信仰において大切な姿勢の一つは、現実に起っていることを直視し、正直に認めることです。自分の中にある罪は、自分自身を正直に見つめることではじめてわかります。そうすると、滅びではなく、キリストにより救われて生きる道のあることが分かってきます。

 事故により何が起っているのかについては、いまだ全体がわかりません。しかし、一人びとりが無関心ではなく、起っていることを知ることに努めるなら、新しい道を見つけることができると考えます。各々が自分の頭で理解し、考えるなら、たとえ賛否が分れても、長い目で見ればよい選択ができるはずです。

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