熊田なみ子のほほえみトーク 2012年8月28日(火)放送

熊田 なみ子(スタッフ)

熊田 なみ子(スタッフ)

小さな朗読会156「シセラの死」「天使を見たギデオン(1)」

第60章 シセラの死

 エホデが死ぬと、イスラエルの民はまた主の前に悪を働きました。そこで神様は、はるか北方のカナン人の王ヤビンがイスラエルの民を悩ますのを許されました。ヤビン王は鉄の戦車を九百台も持っていました。彼は20年間イスラエルを制圧しました。イスラエルの民は再び主を求めました。

 その頃、イスラエルは一人の婦人に治められていました。この女士師の名はデボラでした。彼女は大そう賢い良い人で、立派なしゅろの木の下に天幕を張りそこに住んでいました。何かことが起こると民はデボラの所に来て助言を求めました。

 神様は彼女に、バラクという兵を呼び寄せヤビンの軍勢の隊長シセラと戦うため、一万人の兵を連れて北の方に行くように神様が望んでおられることを告げよ、と言われました。神様はバラクをシセラに勝たせると約束されました。しかし、バラクは尻込みし、デボラに「あなたが一緒に行ってくだされば私は行きます。しかし、一緒に行ってくださらないならば行きません。」と言いました。デボラは勇敢な婦人でした。「必ずあなたと一緒に行きます。しかし、あなたは今行く道では誉れを得ないでしょう。主はシセラを女の手に渡されるからです。」と、彼女は言いました。

 そこでバラクは、一万人の兵を集めキション川に行きました。デボラも同行しました。バラクが一万人の兵を連れて戦いに来たことをシセラが聞くと、彼は自分の軍勢と、九百台の戦車を集め、バラクと立ち向かうため川まで出てきました。神様はイスラエル人を助けられ、シセラとその兵は皆彼らの前から逃げて行きました。殺されたものも大勢いました。
 シセラは間もなく自分にとって負け戦であることに気づきました。彼は自分の戦車から飛び降り、疲れ果てるまで逃げました。もう一歩も走れないほど疲れたところで彼はたった一つ建っている一人の婦人の天幕に辿り着きました。

 この天幕にはヤエルという婦人が住んでいました。ヤエルは、イスラエル人でもカナン人でもありませんでした。彼女はケニ人でした。ケニ人は、シナイ山の近く、ずっと南の方に住んでいました。
 皆さんは、モーセがパロから逃げた後、荒野に住んでいたことを覚えているでしょう。モーセはそこでケニ人の婦人と結婚したのでした。イスラエルの民がここの荒野を通る時、モーセは自分よりも荒野の様子を知っている妻の兄弟に案内を頼みました。こうしてモーセの義理の兄弟はイスラエル人と一緒に来て、その子孫はイスラエル人のうちに住むようになりました。

 ヤエルはイスラエル人の友でしたが、シセラに「お入りください。主よ、どうぞうちへお入りください。」と言い彼を休ませてその上に毛布をかけてやりました。シセラは、「どうぞ私に水を少し飲ませてください。喉が渇きましたから。」と言いました。ヤエルは水の代わりに牛乳を持ってきました。そこでシセラは、「天幕の入り口に立っていてください。もし人が来て、あなたに「誰かここにいますか」と問うなら「おりません」と答えてください。と言いました。

 シセラは疲れのあまり、まもなくぐっすり寝てしまいました。彼が眠ったのを見て、ヤエルは大変長い釘のような形をした天幕の釘を取ってきました。彼女は静かに天幕に忍び込み、釘でシセラのこめかみを打ち抜きました。シセラはとうとう眠りからさめませんでした。それからヤエルは天幕の入り口に立ちました。
 まもなく、主の軍勢の長バラクが、シセラを探して走ってきました。ヤエルは、「おいでなさい。あなたが求めている人をお見せしましょう。」と言いました。彼女はバラクを天幕に呼び、大きな釘を頭に突き刺されたまま死んでいるシセラを見せました。

 バラクは戻って、デボラにヤエルのしたことを話しました。バラクとデボラは幸福のあまり喜びの歌をうたい、大勝利を神様に感謝しました。「主よ、あなたの敵はみなこのように滅び、あなたを愛する者を太陽の勢いよく登るようにしてください。」この勝利の後、イスラエルは四十年間太平に過ごしました。


第61章 天使を見たギデオン(1)

 この頃ともなれば、イスラエルの民は偶像を捨てて神様だけを礼拝するようになっていても良いはずですが悲しいことにまだ懲りていませんでした。デボラが死んだ後、彼らはまた主の前に悪を働きました。今度はミデアン人の圧制を神様は許されました。ミデアン人は一箇所に住まない放浪の民族でした。そして、物を盗むことで皆に嫌われていました。

 皆さんも覚えているようにイスラエル人は、前にもミデアン人に困らされました。それはイスラエル人がヨルダンを渡ってカナンに入る少し前のことで、およそ二百年以前のことです。バラク王がイスラエルを呪うためにバラムを呼んだのですが、バラムはイスラエル人を祝福したのでした。ミデアン人はそれからアモリ人の地に住んでいました。今度はイスラエルの作物を盗むためにカナンに来ました。

 この二百年の間に彼らは大そう大きな国民になっていました。彼らはひどいやり方で物を取りました。自分たちの畑を耕すために、一つ所に落ち着かないで彼らは弱い民族を襲い、その作物をみな取り上げるのでした。それでまた違うところに移り同じことをするのでした。彼らはイスラエル人に対しても同じことをしました。自分たちの牛や天幕をもっていなごの群れのように数多くきました。彼らは土地を荒らし、イスラエル人の食べるものを何も残さないで持っていきました。イスラエルの民は、非常に貧しくなりましたが、怖くて手向かうことが出来ません。ミデアン人が反抗する者は容赦なく殺すことを知っていたからです。七年もの長い間、ミデアン人はイスラエル人を虐げ、イスラエル人はとうとう自分の家に住んでいられなくなりました。ミデアン人から逃げて、彼らは山の洞穴や、岩穴に住みました。やがて飢え死にしそうになってきました。

 その悲惨の中から彼らは神様に助けを求めました。

 神様は、彼らの偶像礼拝を責めるため一人の預言者を送られました。しかし、神様は岩穴などに逃げ込み、飢えている気の毒なイスラエルの人々を憐れみ助けようと思われました。主は天使のかたちを取りテレビンの木の下に座られました。近くにミデアン人に見つからないように密かに麦を刈っているギデオンという若い農夫がいました。主の使いは彼に現れ、「大勇士よ、主はあなたと共におられます。」と言いました。ギデオンは、「ああ、君よ。主が私たちと共におられるならばどうしてこれらのことが私たちに臨んだのでしょう。私たちの先祖が「主は我々をエジプトから導き登られたではないか」といって私たちに告げたその全ての不思議な御業はどこにありますか。今、主は私達を捨ててミデアン人の手に渡されました。」と答えました。

 主は、ギデオンをご覧になり、「あなたはこのあなたの力を持っていって、ミデアン人の手からイスラエルを救い出しなさい。私があなたを遣わすのではありませんか。」と言われました。ギデオンは驚きました。どうして貧しい百姓にすぎない自分がミデアン人から自分の民を救うことができましょう。彼は、「ああ主よ、私はどうしてイスラエルを救うことができましょうか。私の氏族はマナセのうちで最も弱いものです。私はまた私の父の家族のうちで最も小さいものです」と言いました。しかし主は、「しかし、私があなたと共にいるから一人を撃つようにミデアン人を撃つことが出来るでしょう。」と言われました。

 ギデオンは、これらのことを言うのが本当に主であることを確かめたかったのでしるしを求めました。彼は家に帰り、子山羊を殺してそれを煮、またパンを作りました。彼はこの供えものを持ってテレビンの木まで戻ってきました。主はこのパンと肉を岩の上に置き、煮物を注ぐように言われました。ギデオンはその通りにしました。主の使いは、持っていた杖の先でこのパンと肉にさわりました。すると、岩に火が燃え上がりパンと肉を焼いてしまいました。と同時に天使はギデオンの前から消えました。これでギデオンは自分が本当に主の使いを見たことを知りました。

 彼は非常に恐れました。主の使いを見たので死ぬと思ったのです。しかし、神様は彼に「安心せよ。恐れるな。あなたは死ぬことはない。」と言われました。ギデオンはそこに神様の祭壇を作りました。  くまだなみこ

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