キリストへの時間 2013年5月19日(日)放送 キリストへの時間宛のメールはこちらのフォームから送信ください

山下正雄(ラジオ牧師)

山下正雄(ラジオ牧師)

メッセージ: ペンテコステ

 おはようございます。ラジオ牧師の山下正雄です。
 きょう5月19日はキリスト教会にとって特別な日です。それは聖霊がキリストの弟子たちの上に降臨したことを記念する日だからです。といっても、この記念日の日付は年によって移動しますので、毎年5月19日が聖霊降臨を記念する日というわけではありません。イースターの日から数えて50日目の日曜日が、ペンテコステの日、つまり聖霊降臨を記念する日です。
 と、ここまで一気にしゃべりましたが、「聖霊降臨」とか「ペンテコステ」とか言われても、何のことだかさっぱり、と思わるのではないかと思います。第一、「セイレイ」と耳で聞いても、ピンとこないかもしれません。
 漢字で記せば、聖なる霊、英語ではholy spiritと呼ばれます。

 この聖霊について一言で語ることはできませんが、とにかく、イエス・キリストが復活してから50日目に、キリストの弟子たちに何が起こったのか、お話をしたいと思います。

 聖書によれば、復活したキリストはこの地上で40日間、弟子たちの前に現れ、弟子たちに神の国についてお語りになりました。それから天に引き上げられて、今は父なる神の右に座しておられます。

 この復活のキリストが天にお帰りなって10日目に、以前から約束してきた聖霊が弟子たちの上に降りました。それがペンテコステの日の出来事です。その聖霊の様子は炎のような舌のようであり、激しい風の吹き荒れる音を伴って降りました。そのとき弟子たちは聖霊に満たされて、それぞれよその国の言葉で神の偉大な業を語り出したというのです。

 その様子はお酒に酔っているようにも見えましたが、朝から酒に酔って意味の分からない言葉をわめき散らしていたのではありません。言葉が分かる人には、ちゃんと意味のある故郷の国の言葉として聞こえたのです。

 ところで、この聖霊が弟子たちの上に降ることについて、キリストは前もって弟子たちにこうおっしゃいました。
 「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる」(使徒言行録1:8)

 初代教会の発展の歴史を記した「使徒言行録」という書物は、教会の発展をこの聖霊の働きと結びつけて記しています。確かに実際にキリストの福音を携えてキリスト教を広めたのは、ペトロやパウロといった弟子たちでした。しかし、聖書のこの書物は、ペトロやパウロの働きを、人間の力ではなく、聖霊の力に導かれておこなった聖霊の働きであると描きます。

 以来、キリスト教会は、この聖霊の力に信頼して、キリストの福音を携えて、地の果てまでも出ていきます。誰かを説得したり、説き伏せたりするのではなく、聖霊が働いてくださることを信じて、どんな困難な場所にいってもキリストの教えを語り続けます。

 明治時代以降、高知県に最初のプロテスタントの宣教師がやってきたのは1878年のことでした。それもまた聖霊の導きを信じる人たちに送り出されてのことでした。その同じ聖霊が、この番組を聴いてくださっているお一人おひとりに働きかけてくださるようにと、心からお祈りいたします。

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