キリストへの時間 2013年10月27日(日)放送 キリストへの時間宛のメールはこちらのフォームから送信ください

久保浩文(高知教会牧師)

久保浩文(高知教会牧師)

メッセージ: 「幸福の国」への旅

 おはようございます。高知教会の久保浩文です。
 唐突ですが、あなたが旅行に行くとしたら、どんなところに行きたいと思われますか。行ってみたい国はあるでしょうか。わたしは「平和で幸福な国」に行ってみたいと思います。「幸福の国」と聞いて真っ先に思い浮かぶのはブータンではないでしょうか。もう2年近く前になるでしょうか、ブータンのワンチュク国王と若く清楚なベア王妃が国賓として来日して話題を呼びました。ブータンは中国とインドに挟まれた小国です。舗装されていない道路も多く、電気や水道も充分に整備されていないばかりか、人々の暮らしもつつましいものです。この国が多くの人の関心を引いたのは、国民の約97パーセントの人が「幸福である」と感じている点です。国民総生産よりも国民総幸福、開発よりも自然保護優先を重視しているようです。華やかさや便利さはなくても、人々が笑顔で暮らしている国、そこに大きな魅力を感じるのでしょう。

 日本は、それとは対照的に、戦後高度経済成長の波に乗り、幹線道路を整備し、高速道路が列島を縦断し、新幹線建設による人と物の大量輸送を可能とし、いち早く荒廃の中から復興した経験を持っています。しかし、経済発展の裏では、自然環境破壊とそこに生きる人間の尊厳の軽視が問題になりました。豊かさを求めて進んだ先にあったのは、空しいバブルと、そのあとの殺伐とした格差社会でした。改めて、わたしたちにとって「本当の幸福」とは何か、一番大切にしなければならないものは何かを問いかけられているような気がします。

 聖書には、もっと素晴らしい、真に平和と幸福の国のあることが記されています。それは「神の国」です。神の国は、イエス・キリストが王にして統治者である国、「聖霊によって与えられる義と平和と喜び」の国です。神の国に入るには、特別な資格は必要ありません。イエス・キリストからの招待状が届いた人であれば、誰でも入ることができます。しかし、神の国への招待状が届いているにもかかわらず、頑なに招待を拒み続ける人が多いのです。聖書には、神の国の宴に招待されながらも、いろいろと理由をつけてそれを拒む人の姿が描かれています。ある人は「畑を買ったから見に行かねばなりません」と言い、またある人は「妻を迎えたばかりなので行くことができません」と言って断るのです。「神の国」といわれてもその価値がわからないためでしょうか。「神の国」といわれても、その価値がわからないためでしょう。

 神の国の宴は、毎週日曜日、キリスト教会で持たれる礼拝の中で実現しています。礼拝では、キリストの言葉が語られ、それに耳を傾ける事を通して、その人の心に真の平和と幸福が実現するのです。神の国のひな型である教会の礼拝は、老若男女を問わず、全ての世代の者が共に相集い、一つ心となって神を仰ぎ見、共に神に賛美をささげます。神の国に入るには、パスポートもチケットも必要ありません。運賃も不要です。これほど格安な旅行は他にありません。
 「こどもふくいんさんびか」の中に、「ふくいんの汽車に乗っている。天国行きの。罪の駅から出て、もう戻らない。きっぷはいらない。ただ救いがある。それでただ行く。」という歌があります。ラジオをお聴きの皆様には、神の国への招待状が届いていると思います。実はこの放送もその招待状なのです。どうか、「ふくいんの汽車」に乗って今日、どこかの教会の礼拝に出席してくださることをお勧めします。目には見えませんが、真の平和と喜びの国が待っているのです。

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