キリストへの時間 2020年5月3日(日)放送

大宮季三(芸陽教会牧師)

大宮季三(芸陽教会牧師)

メッセージ: 軽自動車に乗った神の子



 おはようございます。高知県安芸市にあります、芸陽教会の大宮季三です。
 さて、もし、皆様のお住まいの最寄りの駅に、アメリカの大統領がやってきたら、どのような光景を想像されますか?人だかりができ、たくさんの警察や警備員がいることが想像できます。そして大統領は何に乗ってやってくるでしょうか?多くの方は、大きな黒塗りの車を想像したのではないかと思います。私たちの知っている権力者は、「カッコいい」乗り物に乗ってやってきます。

 しかし聖書は、神の子であるはずのイエス・キリストが、とても「カッコわるい」乗り物にやってきた様子を記しています。神の子イエス・キリストがいよいよ、神殿のある都エルサレムに入っていく時、乗っていた乗り物は「子ロバ」、つまり「ロバの子」であったと聖書は記しています。この時代、偉い人が乗る乗り物は馬です。王や将軍が立派な馬にまたがって人々を見下ろすように堂々と進んでいく姿を皆さんも映画などでご覧になったことがあるかと思います。

 それに対して、「ロバ」ましてや「子ロバ」は決して大きくない動物です。子ロバに乗っても、人々を見下ろすどころか、身長と同じぐらいの高さでしかありません。世界を創り、人間を創られた神の子はそのような姿で都エルサレムに入ったのでした。大きくて格好の良い馬ではなく、子ロバに乗ったという状況は、今風にいえば「軽自動車に乗って登場した」ようなものです。もし、皆様のお住まいの最寄りの駅に、アメリカの大統領が軽自動車でやってきたとすれば、どうでしょうか?驚き、ですね。もしかすると「あの大統領はとても庶民的だ!」ということで、その姿が大統領支持率をあげるかもしれません。 

 神の子イエス・キリストの「子ロバ」に乗った登場の姿は、イエス・キリストの地上での生涯そのものを表していました。神の子でありながら、人間の姿をとって地上に来られたイエス・キリストは、クリスマスの夜、家畜小屋で誕生したのです。そして、地上における最後の最後まで、「子ロバに乗っているような」貧しい、惨めな姿をとられました。人間を創った神の子でありながら、人間の手によって死刑を宣告され、人間の手によってムチ打たれ、人間の手によって釘を打たれ、十字架にはりつけにされたのです。

 イエス・キリストは、多くの病気を癒したり、信じられないような奇跡を起こしてきました。「そんな人が処刑にされるとは何と悲劇的な!」と人間は考えてしまいます。しかし、イエス・キリストは悲劇の主人公ではありません。イエス・キリストはご自分で、十字架刑に処せられる意味をあらかじめ語っておられました。十字架に架けられる前の夜、あの有名な「最後の晩餐」の場面で、イエス・キリストは「私はあなた方の罪の赦しのために血を流す」とおっしゃいました。

 イエス・キリストは神の子という、本来は権威も権力も持ったお方でした。しかし家畜小屋に生まれるあの「カッコ悪い」姿、子ロバに乗って登場するあの「カッコ悪い」姿、十字架での悲惨な姿をとられました。それは罪を犯し、滅んでいくしかない本当に「カッコ悪い」「惨めな」「罪人である私たちのため」だと聖書は語ります。あなたのために神の子が何をしてくださったのか、神の子のとられた姿の意味を、教会は今日も宣べ伝えています。

 お一人お一人が、今日、神の子イエス・キリストに出会えることをお祈りしています。



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