キリストへの時間 2022年4月3日(日)放送  キリストへの時間宛のメールはこちらのフォームから送信ください

山下正雄(ラジオ牧師)

山下正雄(ラジオ牧師)

メッセージ: 幸せに生きる秘訣

【高知放送】
     

【南海放送】
     

 おはようございます。ラジオ牧師の山下正雄です。
 ラジオをお聴きのあなたにとって、春の訪れを感じるのはどんなときでしょう。咲き乱れる桜の花を見たときでしょうか。あるいは、眠気を誘うような、あたたかな春風を頬に感じたときでしょうか。真新しい大きなランドセルを背負ったピカピカの一年生を見かけたときや、新しいスーツ姿の新入社員らしい若者を見かけたときにも、春の訪れを感じますね。春は暖かな陽気も手伝って、気持ちもウキウキとしてきます。

 しかし、ここ数回の春はといえば、コロナコロナで気が滅入るようなことばかりです。せっかく入った大学や会社も、オンラインやらリモートで、人との交流もままなりません。こんなはずではなかったのにと、人生に降りかかる不公平を恨みたくなるかもしれません。けれども、自分の不運な巡り合わせを嘆くだけでは、前に進むことはできません。気持ちを切り替えることはとても大切です。

 そもそも、自分だけが不運だという思いは、断ち切った方が良いように思います。ちょっと振り返っただけでも、大きな自然災害は、ほとんど毎年のように発生しています。経済的な危機も、この三十数年の間に二度もありました。「失われた世代」と呼ばれる世代に生まれて、苦労を経験した人もいるかと思えば、まだもう少し働かなければならないときに、突然のリストラにあって、真っ暗な思いになった人たちもいます。そうした経済的な危機を経験しないで、定年を迎えた世代はといえば、戦争のために今の暮らしとは比較にならない苦しみを味った世代です。

 そのほかにも、個人を襲う病や事故で苦しい思いをした人たちを数え上げれば、きりがありません。それでも、自分より幸せな人を見つけ出して、自分の不幸を嘆くとしたら、それこそ、そこにどんな意味があるのかと思ってしまいます。むしろ、今自分に与えられている小さな幸せを、少しでも数え上げた方が、よほど気持ちが晴れやかになります。幸せかどうかは、人と比較して感じるものではありません。自分が幸せだと思えば、それで十分です。

 新約聖書に収められている手紙のほとんどを書いたパウロは、こんなことを語っています。「わたしは、自分の置かれた境遇に満足することを習い覚えたのです。貧しく暮らすすべも、豊かに暮らすすべも知っています。満腹していても、空腹であっても、物が有り余っていても不足していても、いついかなる場合にも対処する秘訣を授かっています。」(フィリピ4:11-12)

 では、その秘訣とは何でしょう。それは「わたしを強めてくださる方のお陰で、わたしにはすべてが可能」(フィリピ4:13)だ、という確信です。パウロが書いた手紙の中には、自分が体験した、様々な肉体的精神的な苦しみを列挙した個所があります。そうした苦しみを経て体得した確信がそれです。すべてを可能としてくださる神が、共にいてくださると確信するとき、パウロには、希望のうちに生きて、苦難を乗り越える力が与えられました。逆に、今豊かさの中にいるときも、自分の力を誇ることなく、神から与えられた今の幸せを、謙虚な気持ちで感謝することができました。こうした積み重ねの中で、パウロは、どんな境遇の中でも、満たされた思いで過ごせるようにと変えられていったのです。

 この番組を聴いてくださっているお一人お一人が、どんな境遇の中にあっても、満たされた思いで幸せに過ごすことができるように心から願っています。今日も、神の恵みを感じる心が与えられますようお祈りいたします。



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