月刊誌リジョイス 聖書日課 2010年5月8日(土)

フィレモン 愛に訴えて願う

むしろ愛に訴えてお願いします、年老いて、今はまた、キリスト・イエスの囚人となっている、このパウロが。(フィレモン9)

 「フィレモンへの手紙」は、使徒パウロの手紙の中で一番短いものです。この手紙が示すのは、信仰の仲間への使徒の思いやりと誠実です。

 フィレモンの奴隷オネシモは、主人に何か損害を与えたまま逃亡したようです(18節)。しかし、彼は、獄中のパウロの伝道で回心します(10節)。そこで、パウロは、フィレモンに、オネシモを赦し、主にある兄弟として迎え入れるよう懇請しています(16節)。

 パウロは、このことを使徒の権威で命じることもできました。しかし、彼は、あえてそうはせず、フィレモンを「愛する協力者」(1節)と呼んで、オネシモへの寛大な扱いを、心を低くして請い求めているのです。

 私たちも、家族や親しい仲間、年下の人に、命令口調になりがちです。信頼関係がそうさせるのです。しかし、思いやりを欠いた要求は、相手を自分の思い通りに動かそうとする強要に、容易にすり替わります。キリスト者は、十字架のキリストに結び付けられたひとりの「囚人」です。共に歩む人びとを思いやり、温かな配慮を届ける関係を築きましょう。

コントローラ

Copyright (C) 2010 RCJ Media Ministry All Rights Reserved.