月刊誌リジョイス 聖書日課 2010年10月10日(日)

詩編73編 わたしは獣のようでした

わたしは心が騒ぎ
はらわたの裂ける思いがする。
わたしは愚かで知識がなく
あなたに対して獣のようにふるまっていた。
あなたがわたしの右の手を取ってくださるので
常にわたしは御もとにとどまることができる。(詩編73:21-23)

 この世では、人びとの不信心な態度がとがめられもせず、称賛されることさえあります。そういう人たちが安穏としているのを見て、詩人は動揺しています。目に見える華やかさや安楽さばかりに憧れるとき、信仰の苦労など愚かだという周囲からの声が、責め苦のように心にのしかかります。

 しかし、詩人は、気付いたのです。私たちが、不信仰者の繁栄を羨み、自らの置かれた境遇に心が騒ぎ、感情の奴隷になりさがるとき、私たちは神の御前に獣のようでしかないと。この詩の告白は、驚くほど率直です。

 不条理にも思えるさまざまな苦難は、心を清められて、見えないものに望みをおくために備えられた道です。その途上に、この詩が明らかにしている信仰者の心の揺らぎも置かれています。確かなことは、たとえ私たちがどんな困難に陥っても、神は獣のような私たちの手を取り、御もとにとどまらせてくださる、ということです。それが、天国に至るまでの信仰者の歩みです。

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